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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第70話 過去語 三
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々初体験をしたなぁ……
と、漸く萬屋のぼろっぼろな店が見えてきた所で、私は足を止めた。
???店の前にスーツを着た男が、何十人も居る。
借金取りか……? でも、そんな大人数で押し掛ける訳……昼間に一人対処したばかりじゃないか。
このままあの集団の中に突っ込んでいっても良いのだが、万が一を考えて透明化と暗視の魔法を掛ける。そして、近くの林の中を通って、萬屋の近くまで行く。
「……店主……と喋ってるの、誰……あれ……?」
店主は店の外に出て、男共のリーダーらしきヤツと喋って居る様だ。男共に囲まれて喋っているので、あのビビり店主は後で泣きついてくるに違いない。めんどくさ。
まぁそれは置いておいて、取り敢えず……ミエナイ、キコエナイ????
盗見系、盗聴系の魔法全掛けでもう一度店主の方を見る。
『だぁかぁら、黒華については……あ、れ……? ……あ、知らないって!』
ん……? 何か、今おかしな反応を……ま、ビビり店主だし、しょうがないか。
『……そうですか、分かりました。では』
……折角魔法を遣ったのに、直ぐに終わりやがって。
男共はぞろぞろと帰って行く。
…………あれ、一番後ろに居る、さっき店主と喋っていたやつ……もしかして……
? パキッ
……しまっ……??
幾ら透明化したとしても、体は存在する。だからボタンも押せるし、枝も踏める。
???オワッタ。
店主と話していた奴が音に気づいたらしく、此方へ近づいてくる。
此処で思いっきり逃げた方が良いとは思うが、一応この場所に留まってみる。
???これで私に気付いたら、“奴等”の魔法研究が何処まで進んでいるのかが分かるから。
「あれ、確かこの辺だった気が……」
見覚えのある顔。聞き覚えのある声。
間違いない。此奴はマギア幹部の偽ポリ公。
「気の所為でしたかね……?」
……気付いてない。
今は木陰で小さくなって座って居るのだが、気付かれていないっぽい。
マギアの魔法研究も、やっぱり大したことな???
「ね? 琴葉さん」
前言撤回。
マギアの魔法研究は相当なものだ。
偽ポリ公は、私の透明化を見破った。それに加え、正体
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