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『賢者の孫』の二次創作 カート=フォン=リッツバーグの新たなる歩み
Zクラス
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昼休み。
 魔法学院の食堂は生徒達に無料で提供される。
 肉料理、魚料理、スープ、サラダ、パンも複数種類あり、新入生はついつい食べ過ぎてしまい、食堂で苦しそうにしている姿を見るのが風物詩となっているのだが、Zクラスとそれ以外のクラスではメニューがわかれていた。
 地鶏の香草焼きの揚げ芋添え、羊のチーズ、新芽のサラダ、ミックスビーンズのトマトソース炒め、ポタージュスープ、ライ麦パン――。
 これらが通常メニュー。
 Zクラスはというと、残飯定食、サンマの骨定食、どぶ板定食、下水ライス、犬のよだれかけご飯、便所裏の雑草サラダ、ネズミカツ、フライドカラス、野良猫の死骸焼き、カマドウマ――。

「カマドウマて……。それもう料理じゃないだろ、カマドウマだろ!」
「豆と水しか口にできなかった故郷と違い、ライスおかわり自由のこの学食はおいどんにとっては天国でごわすよ」
「やめろ! 人間はカマドウマなんて食べちゃいけない!」
「ふぃひひひひひひwww 最初はみんなそう言うのよ」
「食べてみると以外といけるでごわすよ。おいどんのカマドウマをあげるでごわす」
「あたしのもあげるよ、カート」
「僕も」
「私も」
「僕も」
「僕も」
「僕も」
「そんなにいっぱいカマドウマが食えるか! ていうかおまえらも本当はカマドウマ嫌いだろ! 嫌なら注文するなよ!」

 カルチャーショック(?)で惑乱するカートに厨房の人間が耳打ちしてきた。

「これはカート様ではありませんか。少々チップをはずんでいただければもう少しましな料理をご用意できますよ」
「……断る。今の俺はZクラスの生徒だ、彼らとおなじものを」
「これはこれは!
つい先日まで伯爵家の威光を笠に着て威張り散らしていた人物とは思えない発言ですな」
「……」

 この事に関してカートはいっさい反論できなかった。シュトロームの手で操られていたとはいえ、事実は事実だ。そしてシュトロームの件は箝口令が敷かれており、内密である。
 さらに自分でもその間のことを記憶している事がなおさらカートを苦しめた。

「自習〜」

 ロクでなし教師のロクでなし授業が何日も続くと、さすがにカートも爆発した。

「いい加減にまともな授業をしてください!」
「まともな授業だって? 俺はZクラスに合ったカリキュラムをこなしているんだが」
「これのどこがカリキュラムですか。中等部の授業にも劣る。これでは初歩の魔法ひとつまともに習得できない」
「ほほう、魔法を習得できない、ね。それのどこに問題があるんだ?」
「なっ!? ここは魔法学院でしょう! 魔法を学ばないでなにを学ぶと言うのです!」
「読み書き、足し算引き算かけ算わり算、歴史や作文、一般教養」
「たしかにそれらも大事ですが、なによりも魔法
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