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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第四幕その四

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「久米仙人さんもそうだし」
「中国と一緒で」
「というか中国から入ったのね」
 ダブダブが指摘しました。
「仙人そして仙術も」
「仙人とか陰陽道とか密教とか」
 ガブガブは今一つ分けきれていないです。
「色々あるから仙人さんもいるのかな」
「とりあえず日本にも仙人さんはいる」
「それでいいかな」
 オシツオサレツは二つの頭でこう考えました。
「要するにね」
「簡単に考えていいんじゃないかな」
「うん、何しろこの久米仙人はね」
 先生はこの人について皆にお話しました。
「久米寺を建てているしね」
「お寺って仏教だけれど」
「仙人さんって仏教とは違うよね」
「確か中国の宗教の道教だから」
「お正月とかのね」
「そっちなのに?」
「仏教のお寺を建てたんだ」
 皆はこのことにどうにも首を傾げさせてしまいました。
「何かね」
「全然違うんじゃ」
「いいのかな」
「全然違うのに」
「だからそこは日本でね」
 先生は首を傾げさせた皆に知的で温和な笑みでお話しました。
「神道も仏教も道教もキリスト教もね」
「一緒にあるから」
「だからいいのね」
「仙人さんが仏教のお寺を建てても」
「そうしても」
「そうなんだ、そこはね」
 本当にというのです。
「混ざっているんだ」
「日本らしくて」
「神社の中にお寺があったりその逆があったり」
「クリスマスのすぐ後にお正月があったり」
「節分が終わったらバレンタインとか」
「それで暫くしたらひな祭りとか」
 そうした様々な宗教行事があることがというのです。
「日本なんだね」
「何か混沌としてる感じだけれど」
「仙人さんもいて」
「仙人さんがお寺を建てるお国ってことね」
「そうよ、もう全然ね」
 お静さんも皆に言います。
「そうしたことはね」
「普通ってことなのね」
「仙人さんにしても」
「普通にいていいのね」
「そういうことよ、それで仙人さんのお力は」
 久米仙人をはじめとしてです。
「私達よりずっと凄いのよ」
「そうなのね」
「人間の仙人さんだと」
「もう妖怪の人達より強いのね」
「妖力というか仙力を備えた他の生きものよりも」
「そうなの、ちなみに仙人さんは山にいるから」
 いる場所はそちらだというのです。
「お会いしたいと思ったらそちらにね」
「日本は山が多いから何処かな」
 先生はお静さんに応えて微笑んで言いました。
「一体」
「そこはあれよ」
「自分で探すことだね」
「そうよ」
 その通りという返事でした。
「そういうことでね」
「それじゃあね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「いや、先生って日本のことでも何でも全然偏見がないから」
 お静さんはここで先生ご自身に言いました。
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