第四幕その四
[8]前話 [2]次話
「久米仙人さんもそうだし」
「中国と一緒で」
「というか中国から入ったのね」
ダブダブが指摘しました。
「仙人そして仙術も」
「仙人とか陰陽道とか密教とか」
ガブガブは今一つ分けきれていないです。
「色々あるから仙人さんもいるのかな」
「とりあえず日本にも仙人さんはいる」
「それでいいかな」
オシツオサレツは二つの頭でこう考えました。
「要するにね」
「簡単に考えていいんじゃないかな」
「うん、何しろこの久米仙人はね」
先生はこの人について皆にお話しました。
「久米寺を建てているしね」
「お寺って仏教だけれど」
「仙人さんって仏教とは違うよね」
「確か中国の宗教の道教だから」
「お正月とかのね」
「そっちなのに?」
「仏教のお寺を建てたんだ」
皆はこのことにどうにも首を傾げさせてしまいました。
「何かね」
「全然違うんじゃ」
「いいのかな」
「全然違うのに」
「だからそこは日本でね」
先生は首を傾げさせた皆に知的で温和な笑みでお話しました。
「神道も仏教も道教もキリスト教もね」
「一緒にあるから」
「だからいいのね」
「仙人さんが仏教のお寺を建てても」
「そうしても」
「そうなんだ、そこはね」
本当にというのです。
「混ざっているんだ」
「日本らしくて」
「神社の中にお寺があったりその逆があったり」
「クリスマスのすぐ後にお正月があったり」
「節分が終わったらバレンタインとか」
「それで暫くしたらひな祭りとか」
そうした様々な宗教行事があることがというのです。
「日本なんだね」
「何か混沌としてる感じだけれど」
「仙人さんもいて」
「仙人さんがお寺を建てるお国ってことね」
「そうよ、もう全然ね」
お静さんも皆に言います。
「そうしたことはね」
「普通ってことなのね」
「仙人さんにしても」
「普通にいていいのね」
「そういうことよ、それで仙人さんのお力は」
久米仙人をはじめとしてです。
「私達よりずっと凄いのよ」
「そうなのね」
「人間の仙人さんだと」
「もう妖怪の人達より強いのね」
「妖力というか仙力を備えた他の生きものよりも」
「そうなの、ちなみに仙人さんは山にいるから」
いる場所はそちらだというのです。
「お会いしたいと思ったらそちらにね」
「日本は山が多いから何処かな」
先生はお静さんに応えて微笑んで言いました。
「一体」
「そこはあれよ」
「自分で探すことだね」
「そうよ」
その通りという返事でした。
「そういうことでね」
「それじゃあね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「いや、先生って日本のことでも何でも全然偏見がないから」
お静さんはここで先生ご自身に言いました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ