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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)
第二十一話:正義の味方は必要無い
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き》私が傷付く事がお父さんの心を傷付けるって戦わせない様に邪魔するのに、私を倒してでも自分の意思を押し通すって……矛盾してない??

「何考えてんの!? アンタが私を攻撃したら、私が傷付いてお父さんが悲しむんでしょ! 矛盾じゃん!」
言ってやったわ。
流石のウルポンも反論出来ないわ。

「俺が貴女を攻撃?」
ウルポンは不思議そうに呟くと、抜いた剣を横に投げ刺し両手を広げ私に近寄る。
そして背中を向けると……

「俺は攻撃などしない……如何してもドルマゲスの所へ行きたいのなら、俺を殺せ。魔法も使わない……反撃もしない……勿論、避けもしない。俺の事が嫌いで、院長を助けたく、リュカさんの気持ちを理解するつもりがないのなら、俺を殺して行くが良い」

え、何? 殺せ!?
な、何だと思ってんの私の事!
殺すわけないじゃん! そりゃぁ大嫌いだけど、殺すとか違うし!

「リュリュさん……私もウルフ殿に賛成です。貴女は行ってはいけない! ましてやウルフ殿を殺すなど……」
「はぁ……ラン君?」
えぇ!? 私、ラン君にまでウルポンを殺すと思われてるの?

ちょっと待て!
私ってそんなに無法者だと思われてるの!?
ショック……凄くショック。

「わ、私は「聞いてくださいリュリュさん! 今、ご自身の感情にまかせてウルフ殿を殺害し、アハト殿等の救援に向かっても、リュカ様は心から喜ばれませんぞ。お優しいリュカ様ですから、貴女の事を責めたりはしないでしょうが、大切な家族の一員であるウルフ殿を失った悲しみは壮大なモノとなるでしょう」

言葉遮られるし……
何か一方的に悪者にされてるし……
私……もっと皆に好かれてると思ってた。

「ラング、退け。リュリュさんが如何してもアハト君等を助けたいと言うのなら、俺には止める事が出来ない……そうなればリュリュさんの身を守るなんて俺には無理だ。そうなれば俺はリュカさんに会わす顔が無い……リュリュさんの感情を優先させて、ここは一思いに殺された方が良いんだ」

こ、殺さねーって!
私とウルポンの間に立ち塞がるラン君を押し退け、死ぬ決意を見せるクソガキ。
どうしても私を極悪人に仕立てたいのか?

「殺さないわよ! 勝手に私を人殺しにしないでよ!!」
川の対岸で燃え上がってる修道院をバックに、殺される殺されないで問答するウルポンとラン君に大声で言い放つ。

「え……本当に?」
「ほ、本心ですか?」
コ、コイツ等……マジで私が人殺しをすると思ってたんだわ。

「私だってウルポンを殺したらお父さんが悲しむのは判ってるわよ! だがら今までだって殺そうとか失脚させようとか考えもしなかったんでしょ!」
「考えもしなかったんじゃなくて、考えも付かない程バカだったんじゃないの?」


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