428部分:夏のそよ風吹く上をその十一
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はこう返しただけだった。
「それもか」
「今まで悔しい思いをしなかったわけじゃないでしょう?」
「十五年生きてきた」
今の母の言葉にはこう返すのだった。
「それだけ生きていれば」
「何度も。経験するわね」
「悔しいことも苦しいこともあった」
それが人生なのだ。生きていれば。正道も母の今の言葉はわかったのだ。それは他ならない自分自身の経験からである。
「数多くな」
「そういうことよ。じゃあね」
「悔しい思いをしてもか」
「頑張りなさい」
また息子に告げたのだった。
「月並みな言葉だけれどね」
「それでも覚えておくことにする」
無愛想な言葉だがこう述べたのだった。
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