暁 〜小説投稿サイト〜
ある晴れた日に
428部分:夏のそよ風吹く上をその十一
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
はこう返しただけだった。
「それもか」
「今まで悔しい思いをしなかったわけじゃないでしょう?」
「十五年生きてきた」
 今の母の言葉にはこう返すのだった。
「それだけ生きていれば」
「何度も。経験するわね」
「悔しいことも苦しいこともあった」
 それが人生なのだ。生きていれば。正道も母の今の言葉はわかったのだ。それは他ならない自分自身の経験からである。
「数多くな」
「そういうことよ。じゃあね」
「悔しい思いをしてもか」
「頑張りなさい」
 また息子に告げたのだった。
「月並みな言葉だけれどね」
「それでも覚えておくことにする」
 無愛想な言葉だがこう述べたのだった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ