第三幕その十二
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「美味しいよね」
「西瓜と並ぶ夏の名物だね」
「日本のね」
「だからそちらも好きだけれど」
「泉鏡花はね」
「そのことも考えながらね」
そうしつつというのです。
「明日もね」
「学問をしていくんだね」
「日常も楽しんでね」
先生は王子に笑顔で答えました。
「そうしていくよ」
「ではね」
「うん、それとね」
「それと?」
「いや、おさかべ姫は妖怪だね」
姫路城にいるこのお姫様はです。
「それで妖怪の話はこの学園に凄く多くて僕自身ね」
「あっ、先生結構妖怪と縁があるね」
「日本に来てからそうなったね」
「愛媛の方でもだったね」
「狸勲や獺君達と話したね」
「動物だったけれど」
「変化だったからね」
そちらでもあったからだというのです。
「妖怪変化のね」
「そうだったね」
「そう、日本と動物と変化の違いは曖昧だから」
「動物が長生きしたら変化になるんだったかな」
「妖怪の方にもなってね」
「狸や獺は元々妖力が強いから」
日本ではそうなのです。
「それでだね」
「そう、愛媛でもお話したし」
先生は王子にさらにお話します。
「この神戸でもね、猫又のね」
「お静さんだね」
「彼女とも知り合いになったしね」
「そうだったね」
「だからね」
それでというのです。
「今度お静さんとお話しようかな」
「それで姫路城のお姫様のこともだね」
「詳しく聞きたいけれど」
「いいね、じゃあ明日にでもお静さんとお話してみる?」
「そうしようか」
「それがいいね、しかし妖怪も普通にいるとか」
こうも言った王子でした。
「世の中面白いね」
「いやいや、世界に住んでいるのは人間や他の生物や植物だけか」
「それはだね」
「そうとは限らないからね」
「妖怪変化がいても不思議じゃないんだ」
「イギリスでは妖精と呼ぶね」
「ああした存在もまただね」
王子は先生のお話ににこりとして応えました。
「いても不思議じゃないんだね」
「そうだよ、それでね」
「これからもだね」
「僕は妖怪の皆ともね」
「お友達でいるね」
「そういていくよ」
笑顔で言う先生でした、そしてお静さんに連絡を取るとお静さんも快諾してくれました。
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