第61話 剣を持つ覚悟
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かったよ」
「うむ、分かればいい……」
……もどかしいなぁ、このままだと話が進行しないじゃん。
「何をやっとるんじゃ?」
「あっ、ラッセル」
そこにラッセルが現れてわたしに声をかけてきた。
エリアルハイドは気配を消せるが姿を隠せるわけじゃないので、こっちが見えないラウラ達ならともかくラッセルには普通にバレる。
「データっだっけ、それが取れたの?」
「うむ、バッチリとな。その結果を教えに来たんじゃがそんな扉の前で何を座ってるんじゃ」
「ちょっとね」
わたしは事の流れをラッセルに説明した。
「ほほう、それは何とも面白い事になっておるな」
「ん、でもラウラが予想以上にヘタレだから話が進まない」
「ならこっちから後押しをしてやろうではないか」
「どうやって?」
「これを使うんじゃ」
ラッセルはそう言うと何かマイクのようなものを取り出した。
「何それ?」
「ワシの発明品の一つでな、このマイクを通して声を出すと声を変えることができるんじゃよ。前に一回マードックにいたずらで使ったらこっぴどく怒られてしまったんじゃ」
「それは当たり前。でも面白そう」
わたしとラッセルはニヤリと悪い笑みを浮かべた。そしてラッセルにマイクを設定してもらってラウラの声にしてわたしは「私はそなたの事が好きだったのだ」と言ってみた。すると……
『私はそなたの事が好きだったのだ』
「なぁ!?」
「えぇ!?」
ラウラの声で言われた突然の告白にリィンは驚き、ラウラはそれ以上に驚いていた。そりゃいきなり喋っていないのに自分の声で告白されたら誰でも驚くよね。
「な、なんだ今の声は……私は何も話していないのに……」
「ラウラ、今のは……」
「い、いやあれは……(もしかすると私は無意識の内に想いを言ってしまったのかもしれない、ならこのまま勢いに任せてしまった方が……)」
ラウラは何が起きたのか分からないって状態だけど、リィンは驚きながらも真剣な表情でラウラに質問する。
リィンからすればいきなり告白されたようなものだからね。
「……さっき言ったとおりだ。私はそなたの事を異性として好意を持っている」
「ラウラ……」
ラウラは流れに乗った方が良いと思ったのか、訂正することなく話し始めた。
「最初は好敵手としてそなたに友愛を持っていたんだ。そなたと共に切磋琢磨して剣の道を進んでいく……始めはそれで良かった」
「ああ、俺もラウラという好敵手が出来て嬉しかったよ。ラウラがいたから負ける悔しさやそれをバネに強くなろうって気持ちを知ることが出来た」
「私もだ。でもその時私は負けても仕方ないと思ってい
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