第61話 剣を持つ覚悟
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わたしとラウラは医務室でリィンの様子をうかがっている所だよ。
「しかしぐっすりと寝ているな」
「そうだね。さっきまで暴走していた人だなんて思えないくらいに……」
わたしの膝の上で眠るリィンの頭を撫でながらラウラの言葉に同意する。
ちょっとうなされているように見えるのは団長のげんこつを喰らったからだね、リィンのトラウマだから無理はないかな。
「……」
「?どうしたの、ラウラ?そんなにリィンの顔を見つめたりして」
「あっ、いや別に何でもないぞ」
「もしかしてラウラもリィンを膝枕してみたい?」
「ぬうっ!?」
わたしの問いにラウラは珍しく慌てた様子で取り乱した。
「な、何をバカな事を……!」
「そんな食い入るように見ていたら誰でも気が付くよ。あっ、リィンは気が付かないかな?」
「不覚だ……」
「そんな思い悩むことじゃないと思うけど」
ラウラって真面目な分ちょっと素直になりにくい所があるからね、まあ見ていて面白いけど。
「それでしないの?」
「……したい」
「ん、了解」
わたしはそっとリィンの頭を持ち上げて膝から下ろした、そしてベットから立ち上がってラウラを座らせる。
「ゆっくり動いてね」
「う、うむ……」
わたしがリィンの頭を持ち上げてそこにラウラが膝を差し込んだ。そしてラウラの膝の上にリィンをゆっくり下ろすと彼女は嬉しそうにほほ笑んだ。
「おおっ……」
おずおずと眠るリィンの頭をそっと撫でるラウラ、その姿はまるで小さな小動物に初めてに触れる子供のような感じがした。
「嬉しそうだね、ラウラ」
「いや、そんなことは……」
「やっぱり好きな男の子だから?」
「うぬっ!!?」
普段の冷静沈着な彼女を知る人からすれば、とても信じられないようなリアクションでラウラは驚いた。
「な、なぜそれを……?」
「言ったじゃん、ラウラって分かりやすいって」
「うぬぬ……ルトガー殿にも言われたが、私はそんなに分かりやすいのか?」
「うん、割とラウラって分かりやすいよ」
ラウラは行動が素直だからね。出会った頃はちょっと頭が固かったけど、今では直ぐに顔に浮かぶくらい親しくなれたからリィン以外の人には直ぐに分かると思う。
「……すまない、フィー」
「どうして謝るの?」
「親友の想い人を好きになってしまったんだ、謝るのは当然の事だ」
シュンと落ち込んだ表情を見せるラウラ、昨日団長にコッソリ教えてもらったけどラウラはわたしに遠慮しているみたい。
そんな事気にしなくていいのに。
「ラウラってば真面目すぎ。わたしはリィ
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