第61話 剣を持つ覚悟
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の力を出します。もし万が一この鎖が切れてしまったら……その時はお願いしますね……」
「……ああ、任せておけ」
情報を多く得る為にリィンは敢えて暴走させる勢いであの力を使うつもりだ。リィン……どうか無事でいて……
「……おおおおおォッ!!」
そして赤黒いオーラがリィンを完全に包み込んだ。髪はわたしのように白髪になり目は血のように真っ赤になる、その姿にラウラや団長も驚いた表情を浮かべた。
「……あれがリィンの中にあった秘められた力か。戦場の叫び(ウォークライ)に似ているな」
「凄まじい闘気だ、これ程までとは……!」
団長は自分たちが使う『戦場の叫び』とリィンの状態が似ていると話す。わたしも思ったが確かに発動の仕方も似ている。さっきも叫んで発動出せていたしもしかしたらあれは戦場の叫びの亜種ってやつなのかな?
「これは予想以上じゃな、オーブメントが持てばいいが……」
ラッセルが想定していた以上にリィンの力は凄かったみたいだ、今も何かの測定器が凄い勢いで針を動かしている。
「よし、もう少しで情報収集が完了するぞ……ん?」
その時だった、リィンを拘束していた鎖にヒビが入った。
「おいおい、マジかよ……」
「うむむ、ライノサイダーが暴れてもビクともしない強度をしておるんじゃがな。これは予想外じゃった」
ヒビはどんどん大きくなっていき、等々砕け散ってしまった。
「グッ……ウウッ……!」
「リィン!」
「フィー、お前は下がっていろ。今のリィンは危険だ」
リィンの元に駆け寄ろうとしたが団長に再度止められてしまう。
「フィー達は下がっていろ、ここは俺がやる」
「ルトガー、武器は使わんのか?」
「そんなもんは必要ねぇ、じいさんも離れていな」
ラッセルの問いに手を振って答えた団長、ゆっくりとリィンに近づくと拳を構えた。
「これがリィンの中に秘められていた力か……荒々しいな、まるで暴力が形になったみたいだ」
「ガァァァァ……!」
「おっ、一丁前に威嚇してきやがるか。でもまだヌルイなぁ……威嚇っていうのはこうやるんだぜ」
団長を威嚇するリィン、でもその殺気を涼しげな顔で受け止めた団長は返すように殺気を放った。
(ん……相変わらず団長の殺気はリアルだね、殺気を向けられていないはずのわたし達まで恐怖を感じた)
ラッセルはあくまでも技術者だから分からないようだが、実戦を体験してきたわたしには感じた。心臓を抉られたような恐怖がわたしを襲ってきたんだ。
隣にいるラウラもそれを感じ取ったのか顔を青くしながらも二人の様子をうかがっていた。
「……!」
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