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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第18話
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てくれそうな大貴族の女性がクロスベルの皇帝に…………」
「…………多分だけど、彼女は”カイエン公爵家を護る為に”ヴァイスハイト皇帝と婚約を結んだのかもしれないね。」
「へ…………それってどういう事なんですか?」
エリオットの疑問に対して静かな表情で答えたアンゼリカの推測を聞いたアリサは戸惑いの表情で訊ねた。

「君達も知っての通り、貴族連合軍の”主宰”であったカイエン公は拘束された。そして当然内戦を引き起こした責任はカイエン公個人だけでなく、その実家である”カイエン公爵家”にも追及される事になるだろう。内戦を勃発させた主犯の実家なのだから、よくて”四大名門”からただの貴族への降格…………最悪は御家断絶――――つまり、”爵位剥奪”やエレボニア帝国からの永久追放処分をエレボニア帝国政府から命じられる可能性は非常に高いだろうね。だが、他国――――それもエレボニアと戦争している国であるクロスベルの皇帝に側妃として嫁ぐ事で”カイエン公爵家がエレボニア帝国の貴族からクロスベル帝国の貴族として鞍替えすれば”話は変わってくるだろう。」
「メンフィル・クロスベル連合がエレボニア帝国との戦争に勝利すれば、恐らくカイエン公爵家は大貴族としての地位を保ち続ける事ができるどころか、側妃であるユーディット嬢が産むご子息かご息女が次代のクロスベル皇帝に即位する事でカイエン公爵家が”クロスベル皇家”になる可能性は十分に考えられるな…………」
「あ…………っ!」
「つまり、そのユーディットって人はエレボニアの貴族でい続けたら父親のせいで御先が真っ暗になった実家の未来が危ういから、あっさりエレボニアを捨ててクロスベルに寝返ったんだ。」
「その狡猾さはある意味あのカイエン公とそっくりね…………まあ、父親と違って娘の方は”勝ち組”になったようだけど。」
「彼女がカイエン公の後を継いでくれれば、エレボニアの貴族達を抑えていずれは”革新派”と協力してくれる事も期待していたんだが、まさかヴァイス達側になるとはね…………ルーファス君達に続いて、エレボニアは失うにはあまりにも惜しい人物を更に失ったようだね…………」
「殿下…………」
アンゼリカとラウラの推測を聞いたエリオットは声を上げ、フィーはジト目で呟き、セリーヌは呆れた表情で呟き、疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子の様子をアルゼイド子爵は心配そうな表情で見つめた。

「ユーディット嬢の件を考えると、メンフィル・クロスベル連合はひょっとしたらエレボニアの貴族達――――特に貴族連合軍に所属していた貴族達の調略をしているかもしれんな。」
「ちょ、”調略”って事はまさか、エレボニアの貴族達までメンフィル・クロスベル連合に寝返るって事か!?」
「カイエン公爵家程じゃないけど、貴族連合軍に所属していた貴族達はエレボニアに所属し続
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