第9話 第四次ティアマト会戦
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事であった。
現に、同盟側は罠だと勘違いして絶好のチャンスであるにもかかわらず砲撃を仕掛ける艦が皆無であり、この事の意味を悟ったのは当事者であるラインハルトたちを除けば、転生者で原作知識のある帝国大将の元一般人と同盟軍の若き英雄、そして同盟軍第十二艦隊に所属するとある准将の三人だけであったろう。
「ここで攻撃をかければミューゼル艦隊は総崩れだろうに……同盟の方々もお優しいことだな」
「しかし大胆ですな、ミューゼル大将は」
「まあ、奴にとってはそれしか手が無かったのだろうが……しかし、このままではこちらも巻き込まれる。参謀長、全艦艇に戦闘準備を」
「はっ、全艦戦闘用意」
・・・・・
ラインハルト艦隊が半分ほど横断し終えた頃、同盟軍の最右翼の第十二艦隊がラインハルト艦隊に砲撃を開始した。
第十二艦隊は無抵抗のラインハルト艦隊を次々に被弾させていったが、惜しむべきは彼らが最右翼と最も遠い位置にいたことと、彼らに続く艦が皆無であったことだろう。
ラインハルト艦隊は2000隻近い損害を出しながらも横断を成功させ、旋回し、同盟軍の左翼側面に付く。
同盟軍第二艦隊司令官のパエッタ中将は艦隊を左舷回頭させ対応しようとするが、帝国軍本体は既に射程内に入っており、ラインハルト艦隊に構っている暇は無かった。
「敵軍、至近距離です!」
「砲撃開始!」
両軍は予期せぬ事態に慌てて砲撃を命令する。
「主砲を短距離砲に切り替えよ。それと、宇宙母艦グラーフ・ツェッペリン、ペーター・シュトラッサーのワルキューレを出撃させろ。ウェーゼルは指示があるまで待機」
このとき、この急な展開に付いていくことができたのは帝国、同盟双方の中でハプスブルク艦隊13000隻のみであった。
予めこの事態を知っていたハプスブルク大将は冷静に対応し敵味方に先んじたが、他の艦隊は混乱を抜け出すことができないでいた。
「どうしてこんなことに」
「囮になるはずの艦隊が見ろ、今やもっとも有利な位置だ。これでは囮になったのは寧ろ我々本体ではないか!」
両軍は正面からまともにぶつかる形となり、その距離は徐々に近づいていく。
「あの小僧め!」
「敵軍と正面衝突します」
「わかっておる、もはや総力戦だ。数の勝負しかない」
互いにがっつり組み合いながら激戦が繰り広げられ、双方の消耗は大きくなっていく。
総兵力では帝国側が有利だが、それはラインハルト艦隊を計算に入れてのこと。
ランハルト艦隊が戦闘に参加していない現状では、むしろ数的に劣勢であると言えた。
一方の同盟側もいつ無傷のラインハルト艦隊が攻撃を仕掛けてくるか気が気でなく、そのため攻撃に積極性が多少欠けていた。
そして、遂にライ
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