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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第59話 真希様大暴走 【犠牲者:青藍】
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「はぁぁあああああああああああ???? まだ開けるんですか?? せめて自分で、自分のタイミングで開けさせて下さい??」
と言う事で。
「あ、開けますよ……こうで良いんですよね?」
「そだよー?? こっちゃん、頑張れー??」
「う、ぅ……これを握るだけ……握るだ、け……ぇぇえ……?? あぁぁああ、怖くて出来ないです……やっぱり、お願い……しま、す……」
「さーん、 にー、いー」
???バチン??
「い゛ッ??」
「よーし、叫ばなくなったな。偉いぞー」
「なっ……私は子供じゃないんですけど??」
「“設定”だとな。ま、自分で穴を開けられない時点で、てめえはまだまだ餓鬼だよ」
と言う事で、何回も穴を開ける真希様。それに涙目で愚痴を言うこっちゃん。なにこれ家族。
「……ほら、終わりだ。あとは待つのめんどいから、魔法使うぞ」
「何するんですか」
「ピアスホールを完成させんの。本来一ヶ月くらい待つんだがな」
「“俺様の手にかかりゃ一秒掛からずに完成さしてやるよ”ですか。……はぁ、分かりましたよ」
「あ゛? もう終わってんぞ」
「早いわ??」
家族じゃん。
「……って、真希さん。数、お揃いにしたかったんですか?」
あ、確かに開けた数と真希様がつけてるピアスの数一緒……
って、それ聞いちゃダメなやつじゃ。
「あ゛ぁ?? 何言ってんだ、よ??」
「おっとー、いきなり殴りかかるなんて酷いじゃないですかぁ。照れ隠しですかぁ? 顔真っ赤ですよ。じゃあ青藍さん、お騒がせしましたー! おやすみなさい」
あー、こっちゃん天使。
前のこっちゃんと比べると、マフィアの時の記憶だけのこっちゃんは、どこか抜けてる感じがして滅茶苦茶可愛い。
こっちゃんと真希様の格闘に因り、若干散らかった部屋を片付ける。
そして、気付いてしまった???
……お茶溢したんだった、と。
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