2nd season
15th night
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足か何か?」
「言ってくれるねオタク」
もう一人の青年は肩をすくめて苦笑を返す。
「もうじき俺の車も準備が終わる。今別の店で手続してきたとこやからな」
「そういうこった。『D』がなんたるかは結局わからんかったけど、アンタラ叩きのめして土産話にさせてもらうわ」
「他人の庭で言ってくれるね……やれるもんならやってみなよ」
三人が浮かべる笑顔と狩人の視線が絡み合い、見えない火花となって交錯する。その雰囲気に満足したのか、エスプリのドライバーが引く。
「ほな、挨拶も済んだことやし今日のところはこれで。……次は、上でな」
「首洗って待っとけ」
二人はそう残すと、店を後にした。
「……宣戦布告、か」
「疾風とあのセリカ、まとめて落とす前の景気付けには丁度いい。それじゃ、私も帰るとしよう」
「俺も出たほうがいいか?」
「あいつらが何に乗ってくるかわからんからな……まぁその内、うちの若いのを食い散らかしてくるだろうから、報告を待ったほうがいい。それまでは、私も大人しくしているつもりだ」
「そうかい。もう行くか?」
「ああ。むしろ今の方が、のんびりしていられるほどの余裕はなさそうだ」
そして、インテRの青年も店を出る。一人残った店長は喫煙ブースへと向かっていった。
「天使さんがいなくて行き場をなくしているか、はたまたそもそも濃い奴だけが残ってる状態ね……ま、俺は俺にできることをやるだけだ」
広瀬の相談に、男は難色を示す。
「そいつは今は無理な注文だな」
「……そうですか」
「俺自身は、そいつのことをろくすっぽ知らないからな。知らない奴をターゲットにされても、答えようがないのはわかるだろ?」
「車はわからなくても、ドライバーは知っているはずです。「グレーラビット」は覚えてますよね?」
「ああ、アイツか。乗り回してるのはソイツなのか?」
男は、Z32に乗っていた頃のグレーラビットは知っていた。何度か関東近郊の草レースで当たったことがあるためだ。
「あれに乗ってるアイツと戦ったことはありませんが、半端な腕じゃないのはご存じのはず」
「確かにな。奴が乗ってるなら、車の相性からしてもお前さんには厄介だろう」
「……せめて、一度奴の走りを見てもらいたいんです。少なくとも今のままのエイトでは、勝てる車じゃありません」
「戦ったことがあるのか?」
「いえ、一度誘われましたが、その時のアイツは下手に踏ませると死にかねない状態でして。相手が誰であろうと、死場に付き合うために走ってるわけじゃないので」
今度は男が溜息をついた。
「……生きるも死ぬも、残るも降りるもソイツ次第。たまたま一緒にいただけで、気にする必要はない」
「わかっています。あそこはそういう場
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