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俺様勇者と武闘家日記
第1部
ロマリア〜シャンパーニの塔
危険な盗賊退治(シャンパーニの塔にて)
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な、気を引き締めていけよ! きっと塔の中にも魔物がいると思うし……っておい!!」
「わ〜い、いっちば〜ん♪」
 ナギの言葉を無視して、さっさと中に入るシーラ。シーラにとっては誰がリーダーだろうと関係ないらしい。
 ナギは出鼻をくじかれたような様子で、しぶしぶシーラの後に続いていった。そのあとを私が追いかける。
 中は薄暗く、カビ臭い匂いも漂っていて、その独特の空気は魔物が棲んでるぞ、とでもいわんばかりだった。だが、下を見ると、埃だらけの床に真新しい足跡がいくつも残っている。おそらく盗賊たちのものだろう。私とナギは周りに注意しながら探索した。
「あそこに階段があるな」
 ナギの言うとおり、曲がり角の向こうに階段が見えている。辺りに人の気配を感じないのを確認した私たちは、慎重に階段を上り始めた。その時、
「きゃうっ!?」
 私の後ろにいたシーラが、いきなり奇妙な声を上げた。私はすぐに振り向き、同時に目を丸くして叫んだ。
「な、ナギ!! 魔物!!」
 それは暗がりでも目立つブルーの皮膚を持ち、大きな金色の目をぎらつかせた巨大なカエルだった。確か名前は……ポイズントードだったっけ。
 あろうことかその魔物は、シーラの足首に長い舌を巻きつけている。そういえばぬらぬらと光るその舌には、毒腺があるって聞いたことがある!
「シーラ、じっとしてて!!」
 私はとっさに渾身の力をこめて蹴り上げた。ポイズントードは不意を衝かれたのか、放った私が驚くぐらい勢いよく吹っ飛んだ。幸い魔物はそれきり動かなくなる。
 だが、その後ろから、続々と見たこともない魔物がやってきた。その数はざっと数えても10体以上。
「こ、これってヤバイよね」
「もちろん!! 逃げるぞ!!」
 そういってナギは盗賊さながらの瞬発力で階段を駆け上った。私は事態をまだ良く飲み込めていないシーラの手を引っ張りながら、夢中で階段を上りきった。
「よし、まだ魔物は来てないな? ……よっと」
 階段の手前でナギがおもむろに懐から何か細い糸のようなものを取り出す。そしてそれをまた懐から出したものにぐるぐると巻きつけ、それをすばやい動作で天井にくくりつける。その一連の早業に、思わず私は見入ってしまった。
「なにぼーっとしてんだよ。お前らは先に行ってその辺りの様子を見てきてくれ」
 私はあわててうなずき、シーラと一緒に奥に進んだ。ややあって、ナギが遅れてやってきた。さらにしばらくして、遥か遠くの方で小さな爆発音が聞こえた。
「ひょっとしてナギ、罠張ってたの?」
「まーな。つっても単なる時間稼ぎぐらいにしかならねーけど。その間に盗賊どものいる場所、探そうぜ」
 さすがナギ。あの状況であんなすばやく罠を作るなんて。伊達に何年もおじいちゃんとの修行をやってるわけじゃない。
 時折襲い掛か
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