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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第60話 生誕祭 後編
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け入れてくれてもヨシュアが同じように受け入れてくれるとは限らないよね。エステルの人を信じる心は美徳だが同時に付け込まれる隙にもなる、そんな彼女をフォローしているのがヨシュアだ。わたし達を警戒していても不思議ではない。


「いや、そんなことはないよ。確かに思う事がない訳じゃないけどエステルの言う通り君たちには色々と助けてもらったからね。本当に具合が悪いだけなんだ、不快な思いをさせてしまったのなら謝るよ」
「い、いえ……それなら大丈夫です。でもそんなに具合が悪いのならやはり休まれた方がいいのではないでしょうか?」
「ただの頭痛だから大丈夫さ。それに今はエステルと少しでも長く一緒に居たいんだ、だから大丈夫……」
「ヨシュアさん……」


 ヨシュアの必死なお願いにリィンもわたしも何も言えなくなってしまった。そこまでエステルと一緒に居たいだなんて凄いストレートに言ったね、エステルも顔を赤くしているしもしかしてもう付き合っているのかな?


「エステル、ヨシュアとの仲進展したの?」
「え、えっと……まだ何もしていないわ」
「そうなんだ、あんな情熱的なセリフをヨシュアが言ったからもう付き合っているのかと思った」


 小声でエステルと会話するが、どうやらまだ告白はしていないらしい。ヨシュアも絶対エステルの事好きだろうし両想いなんだからさっさとくっ付けばいいのに……リィンのヘタレさを思い出してもどかしくなってしまった。


「フィーはリィン君と何か進展があったの?」
「ん、告白したよ。返事は保留中だけどね」
「そうなんだ……」
「エステルは告白しないの?」
「今日の夜に一応するつもりよ」
「そっか、頑張ってね」


 どうやらエステルも恋の勝負を決めるみたいだね。上手くいくことを祈っているよ。


 その後わたし達はエステル達と別れて再び町をぶらぶらとしていた。途中でミュラーとデートしていたユリア、メイベル市長やクラウス市長、マードック工房長などリィンやわたしが出会った人たちにも挨拶をしていると不意に背中に誰かが抱き着いてきた。


「フィルお姉ちゃん!久しぶりだね〜!」
「ポーリィ!」
「兄ちゃんも久しぶりだな、フィルを泣かせたりしていないだろうな?」
「クラム……相変わらずだな」


 背中に抱き着いてきたのはポーリィだった。リィンに声をかけたクラムの後ろにはマリィやダニエル、テレサとクローゼがこっちに歩いて来ていた。


「リートさん、フィルさん、お久しぶりですね。こうやってまたお会い出来たことを嬉しく思います」
「テレサ先生……王都に来ていたんですね」
「ええ、折角の生誕祭ですので皆で遊びに来ました」
「孤児院の方はどうなったの?」
「まだ暫く時間はかかりそうですがお陰
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