1st season
2nd night
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うで、そのZ!」
そういってZ32に襲い掛かったのは、深緑のロータスエスプリV8。既に先ほどのインプレッサとエボのことなど、グレーラビットの眼中からはなくなった。霞が関に差し掛かり、そのままのスピードでバトルに突入。
「東京初バトル……食い応えありそうやんけ、ええ?」
トンネルを抜けて、赤坂ストレートのトップスピード勝負。ここは流石にエスプリの方が分があった模様で、じりじりと前に出る。
「しっかし、噂には聞いとったけど、ホンマにムズイわここ。適当なとこで降りんと、流石に集中もたへんでな」
だがしかし、ここのストレートは長く続くものではない。谷町ジャンクションに差し掛かり、一の橋ジャンクションに向かう左から右への緩やかなS字コーナー。急なものではないが、それでもブレーキング競争になる。
「こいつ……やるじゃねぇか……上等!」
左コーナーアウトからのレイトブレーキングで詰めていくグレーラビット。それを察知したエスプリだが、ラインはもう変えられない。外からスライドさせながらエスプリの鼻を抑えて立ち上がり、切り返しの右で振り返してコーナーをクリア。そのまま間髪入れず芝公園エリアへと突入する。
「……奴がついてこない……?」
コーナーを立ち上がった段階で、エスプリがスローダウンした。しかし、それを待つことはせず、そのままバックミラーから姿を消した。
エスプリのドライバーは、大きくため息を着くと、ペースを落として出口へと向かう。
「ふぅっ……面白そうな奴らもおるもんやで。アイツ、今何してんやろな」
そのまま出口を過ぎ、ある程度走った先のコンビニの駐車場に車を止め、エンジンを切った。
「あくまで今日は慣熟走行、あんまり無茶させたらアカンって言い聞かせてたのになぁ……スクランブル使てもうたわ」
車内にあったペットボトルの水を残らず体に放り込むと、それをもって車を降りる。中から出てきたのは、くすんだ黄色のライダースジャケットを羽織り、グレーのデニムに白いスニーカーを合わせ、背中までなびく黒髪をポニーテールにしている青年。
「ま、次に会うた時は、もちっとちゃんとメンテしてこなな。向こう帰るまでにあのZの兄ちゃん、また会えるとええな」
そうぼやくと彼は、店内へと入っていった。
グレーラビットと別れた疾風の黄色いRX−8は、C1には入らずC2右回りに入り、深川線を下っていた。これまでに何度か「Fine Racing」のメンバーや無所属の走り屋と戦って、その全てを撃墜している。
「さっきのインプとエボで弾切れか?つまんねェなァ……もちっと骨のあるヤツでてこいって」
薄ら笑いすら浮かべながらステアリングを握る彼の背筋に電流が
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