暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
2nd season
14th night
[3/5]

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 F40も最近見なくなったこと。

 などなど、楽しくもどうでもいい話で時間は過ぎていく。柴崎が三本目の煙草に火を点け、切り出した。

「それで?こんな時間にウチまでやってきて、わざわざ世間話だけしに来た訳じゃないよな?」
「はい…………」
「実は、うちのリーダーが…………」
「聞いてるよ。ブローさせて降りたんだってな」
「…………」

 2人は無言で俯く。その仕草が、どんな言葉よりも雄弁に事実を語る。

「[Fine Racing]はバラバラ、残ってたメンバーも散り散りになってるらしいな。事実上の解散だ」

 柴崎は2人に悟られないようにゴミ箱を眺めた。その中には、つい先日[Fine Racing]から流れてきた走り屋──とは言ってもほぼ雰囲気組だが───が捨てて行ったステッカーが入っている。

「はい…………」
「まぁ無理もない。あのリーダーがいてこそのチームだったからな……それで?君達はこれからどうするんだ?」
「…………」
「君達も降りると言うなら、その車達は引き取ろう。結構丁寧に扱ってたみたいだしまだ値が付くさ」
「……俺達は────」
「ここが潮時だ。これ以上は無理だと悟ったからこそ、リーダーも降りたんだろう」

 2人が何かを言いかけたのを、敢えて制して柴崎は続けた。どこか冷たく、どこか諭すように。

「殆どのランナーは、ここで降りていく。走ることに意味を感じなくなってね。それでも無理して走るやつは、いつか死ぬ」

 そんな柴崎の言葉をかみしめながら、インプレッサの青年がゆっくりと切り出した。

「…………柴崎さんは」
「ん?」
「柴崎さんは、何故走り続けているんですか?」
「俺か?俺は────」

 柴崎は目を閉じた。これまであった事、出会った人々、走ってきた経験が走馬灯のように駆け抜ける。期間は長くなくても充実した日々。そしてこれからの未来を考えながら口を開いた。

「――――俺は幸運なだけさ。降りようと思わなかったし、死ぬ事も無かった。大した理由じゃないよ」
「……なのに、何であんなに速いんですか?」
「そうだな……速くなる事が楽しい、と思う。サーキットやってた時にウチの社長に拾ってもらってからはこれが仕事になったし、ショップのプライドとか色々有るけどね」
「…………」

 2人はまた俯く。風がゆっくりと温度を落とし、埃を立てて通り過ぎる。煙草をもみ消しながら、柴崎は二人に再度問う。

「……まぁ、俺のことはこんなもんでいいだろう。改めて聞くが、君達はどうしたいんだ?」
「俺達は、まだ───」
「リーダーは降りて、仲間も居なくなった。まだ走る理由があるのか?」
「…………」
「もう一度言うが、ここが潮時だ。同じような事を続けても、何も得るものは無
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