ターン10 熱血!青春!大暴走!
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「や……やりました師匠、お姉様!」
精神的プレッシャー、そして肉体的負担。大きく肩で息をしながらも、抑えきれない喜びに少女の目は輝く。パチパチパチ、とゆっくりとした拍手が響いた。
「おー、まさか本当に勝っちまうとはなあ。大したもんだ、嬢ちゃん。で、お前はいつまで寝てるつもりだ」
その言葉に、クノスぺによる最後の攻撃で殴り飛ばされてからずっと床に寝転がっていた夕顔がむくりと上半身を起こす。
「痛つつ……見事だった、少女よ!よくぞ熱血魂をものにし、そしてこの俺をも超えた!少女よ、お前にはもう俺が教えられることはない。熱血免許皆伝だ!」
「なにがだ」
「ありがとうございます、師匠!」
「だからなにがだ……まあいいか」
結局この2人の世界へのツッコミは放棄されたところで、朝顔がくるりと少女に背を向ける。
「それはそうとして、負けたものはしょうがないな。帰るぞ、夕顔。この件はこの勇気ある嬢ちゃんと、デュエルポリスに丸投げだ」
「ま、待ってくれよ朝顔さん!」
「阿呆。早くしないと……」
そう言い終えるよりも先に派手な音が閲覧室の向こう、入り口付近から響く。まるで停止した自動ドアを叩き割ってこじ開けたような……というよりも、まさにそれそのものの破壊音。そしてワンテンポ置き不機嫌と苛立ち、そして焦りを隠そうともしていない女の声。
「ここにいるテメエら全員動くんじゃねえ、とっくに調べはついてんだ!家紋町デュエルポリス、糸巻太夫!証拠隠滅なんてくだらない真似、アタシが通すと思うなよ!」
「同じく家紋町デュエルポリス、鳥居浄瑠。現在時刻午後7時31分、これより強硬捜査に入る。これはデュエルポリスの権力に基づく正式な捜査であり、一切の反抗及び抵抗は現行犯として即時拘留の対象となることを宣言します。つーか糸巻さん、これぐらいの宣言自分でやってくださいよ。一応形式だけでも言っとかないとあとあと面倒なんすよ」
「うるせえ馬鹿、こちとら緊急事態だぞ。八卦ちゃーん、いるかー!?」
「お姉様……!」
聞き覚えのあるその声に、少女の顔がぱあっと晴れやかになる。声の方向に走りだそうとするも、しかしその両足は少女の意志に反してうまく動かない。それでも無理に歩き出そうとするも数歩も進まないうちに両足から力が抜け、なかばその場に倒れるようにしてへなへなと座り込む。
しかし、それも無理はない。先ほどまでは勝負に全神経を集中させ全身をアドレナリンが駆け巡っていたためにさほど感じてはいなかったが、一切の軽減がなされていない「BV」による3200ものダメージは、少女の体を確実に蝕んでいた。気持ちばかりがはやるもまるで言うことを聞かない体を床の上でもがかせる少女に、朝顔が一つため息をつく。
「ほらな。まあ思ったよりちょっ
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