第一章
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難し過ぎる
松坂岳はゲーマーである、高校生でアルバイトで金を稼ぎつつゲームに青春を捧げていると言って過言ではない。
黒髪を短くしてやや立たせて額を見せている、眉は海苔の様で斜め上に向かっている、小さい目は鋭く面長でやや頬が出ている。運動部所属ではないがアルバイトでいつも身体を動かしているので体は引き締まっている。
その彼がだ、クラスでこんなことを言った。学校の制服であるダークグリーンのブレザーとグレーのズボンの着こなしはラフで白のブラウスの第一ボタンは空いていて赤いネクタイの締め方もラフなものだ。
「最近のゲームはどれも難しくないな」
「RPGもシュミレーションもか?」
「シューティングも格闘もか」
「アドベンチャーもか」
「ああ、どんなゲームしてもな」
岳は醒めた目で語った、自分の席にけだるい感じで座ったうえで。
「あっさりクリア出来てな」
「歯ごたえがないんだな」
「最近のゲームは」
「どれも」
「ネットゲームでも課金しなくてもな」
多くのものがムキになってはまってしまう恐ろしいこれもというのだ。
「簡単にクリア出来るしな」
「それはかえって凄いな」
「御前本当にゲーム上手なんだな」
「じゃあゲーセンでも家庭用ゲームでもか」
「どれでもか」
「話題のゲーム買うだろ」
アルバイトで稼いだ金でだ、実は岳は最近自分がゲームが先かアルバイトが先かわからなくなってきている。
「それでやってみてもな」
「あっという間か」
「あっという間にクリアしちまうか」
「そうなってるんだな」
「スポーツゲームだってな」
このゲームをしてもというのだ。
「どんなチームでも優勝出来るからな」
「どんな弱いチームでもか」
「それが出来るんだな」
「御前だと」
「買ったゲーム買ったゲームがな」
どれもというのだ。
「本当にな」
「簡単にクリア出来てか」
「最近物足りないか」
「そうなんだな」
「ああ、何処かにないか?」
かなり真剣にだ、岳は言った。
「とんでもなく難しくてやりがいのある」
「そんなゲームか」
「そんなゲームがやりたいか」
「今は」
「ああ、本当にな」
クラスメイト達に心から言った言葉だ、とにかく今の岳は難易度が極めて高くやりがいのあるゲームをしたかった。
だが最近のゲームでなく中古のゲームをやってみてもだ。
彼には物足りなかった、とかくどの様なゲームでも名になくクリア出来た、攻略本やネットでの攻略サイトも目にしながらなので余計にだった。
彼はどんなゲームも順調にクリアしていった、それで余計に物足りなさを感じていた。家でもアルバイトから帰って夕食と風呂の後でゲームをしようと思いながらもついついこんな言葉を出してぼやいてし
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