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読者に見放され
第四章

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 だが嫌割はその抗議側を強く批判しだしたのだ。多くのファン達はそれを見て今度ばかりはと思ったのだ。
「完全に左になったな」
「作品をギャンブル業界に提供したしな」
「あそこからおかしくなったかもな」
「それで今回で完全にわかったな」
「あいつもう左だ」
「右から左になった」
「今のあいつは極左だ」
 極端から極端に走ってというのだ。
「原発反対とか言い出したしな」
「女系天皇とかも言いはじめたしな」
 その主張はともかく保守派の主張ではないことに誰もが気付いていた。
「もう完全に保守じゃないぞ」
「あんな保守が何処にいる」
「保守派の人達とどんどん袂を分ってるしな」
「皆あいつに愛想を尽かしたな」
「それで袂分ってるな」
「どう考えてもあいつ転向したからな」
「極左になったからな」
 それに他ならないというのだ。
「本当にな」
「あいつは変わった」
「もう自分が前まで批判どころか罵った連中の方にいったよ」
「とんだ変節野郎だ」
「もうあんな奴の漫画読むか」
「漫画買ってそれであいつを儲けさせてたまるか」
「単行本捨ててしまえ」
「誰が買ってやるか」
 こう言ってだ、多くの者が嫌割から離れた。だが。
 嫌割は止まらなかった、それで今度は自分が以前批判していた左と言われる女性議員を必死に擁護しだした。
「不倫が何だ!」
「何ならわしの過去の不倫話出すぞ!」
「ああした人物こそ防衛相になるべきだ!」
「国籍疑惑なんか気にするな!」
「人間ここまで落ちるか」
 かつてファンだった者達の目は完全に冷めて蔑んだものになっていた、そのうえで嫌割を見て言うのだった。
「前は極左のコメンテーター擁護してたしな」
「勝手にシリア言って捕まった奴サムライとか言ったりな」
「この前日本は半島に悪いことしたとか言ってたな」
「サヨクの政党の応援演説してたな」
「スパイ防止法に反対してたけれどな」
 それでもというのだ。
「あいつ昔破壊活動防止法に賛成してたよな」
「それをもっと確かにしたのがスパイ防止法だろ」
「それを不倫してた女の議員に賛成してか」
「それで反対って言うか?」
「本当に何もかもが変わったな」
「変わったっていうか終焉しちまったな」
「ああ、あいつは終わったよ」 
 その蔑みきって冷えきった目で言うのだった。
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