第四章
[8]前話
「お風呂が好きな猫だっているしな」
「そうなのね」
「それでな」
秀治はさらに話した。
「ミミはそうした猫だってことでな」
「一緒にいればいいのね」
「そうだ、それじゃあお昼になれば」
「俺達もお昼食べてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「ミミにもよね」
「御飯あげような」
「若し忘れたら」
その時はとだ、満里奈は夫に笑って話した。
「ミミ五月蠅いわよ」
「御飯よこせってな」
「それにね」
ただ鳴くだけでなくというのだ。
「引っ掻いたり噛んだりしてくるから」
「気をつけないとな」
「そうなのよね」
「まあ寝ている時はな」
秀治はミミのその時のことを話した。
「大人しいしな」
「流石に寝ている時はね」
「ミミも大人しいだろ」
「それによく寝るし」
猫の語源は『寝る子』という、そのうえでの言葉だ。
「だからね」
「まだいいな」
「ええ、じゃあミミが寝たら」
「俺達も寝るか」
「折角の休日だし」
それならというのだ。
「ゆっくり寝てね」
「身体休めないとな」
「明日もお互いお仕事だしね」
二人共働いている、その為収入はそれなりにある。
「じゃあね」
「夜になったらな」
「寝ましょう」
二人でこう話してだった、実際に二人はミミが寝て夜になると自分達も寝た。だが真夜中に急にだった。
二人共だ、腹の上に思いきり衝撃を受けて飛び上がった。
「うわっ!?」
「ミミ!?」
その通りだった、部屋に入ってきたミミがベッドの上に飛び乗ってきたのだ。それで二人の腹の上に来たのだ。
それで二人共起きて言うのだった。
「全く、またか」
「またベッドの上に飛び乗ってきて」
「寝たと思ったらな」
「真夜中に来るから」
二人共やれやれといった顔になって部屋の灯りを点けてミミを見た。だがミミは平然としていた。そうしてまた寝るのだった。
掃除の邪魔をする妖怪 完
2018・11・15
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