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渦巻く滄海 紅き空 【下】
二十四 昨日の敵は今日の友
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許から取り戻す為に動いている。

火影である綱手に直談判する事からも、いのの本気が窺えた。


「いのは同行させちゃダメなんスか?」
「木ノ葉は常に忍び不足だからこれ以上人員を割くわけにもいかない…それに医療忍者として言わせてもらうと、疲労がかなり溜まっている。このまま向かっても足手まといになるだけだ」

流石、医療忍術のスペシャリスト。
一瞥しただけで、いのの体調を見透かした綱手は「きっちり休息を取って体力が戻ればまだ考えるんだけどねぇ…」と肩を竦める。

サソリとの戦闘の爪痕が疲労となってまだ残っている。
それだけ激しい闘いだったのがいのの体調から察した綱手は、彼女が立ち去った方向に気づかわしげな視線を投げた。



「それで、俺を呼び出したわけはなんです?」

本題に入るべく問うたシカマルに、綱手は顔を一変させる。周囲を厳しい視線で見渡し、誰の気配もないことを確認すると、「お前の任務に関してだ」と重々しく告げた。


「奈良シカマル────お前には、天地橋へ向かってもらう」
「お、俺ですか…!?」

つい先ほどいのが綱手に一蹴された任務を自分が受け持つ事になり、シカマルは眼を白黒させる。だが同時に、ナルと同じ任務につける事に内心喜んだ。

新しいチームメンバーとして以前ナルから協力を頼まれた身。
その時は断ったが、彼女の心底ガッカリした様子に良心が痛んだのは記憶に新しい。
その後、犬塚キバの登場、及び、色白の青年に襲われて、メンバーの話はうやむやになったものの、あれからナルはどうしたのか、気がかりだったのだ。


「しかし…中忍試験の係員の任は、」

自分と同じくナルに恋心を抱いているキバに対して、若干の優越感を覚えつつも、シカマルは怪訝な表情で綱手に訊ねる。
ナルのメンバー勧誘を断らなければいけなかったのは、まさに目の前にいる火影から中忍試験の係員に任命された事が原因だ。
シカマルの質問を耳にして、今思い出したかのように「ああ、そういえば頼んでいたな」と綱手は椅子に深く腰掛けた。


「中忍試験の係員の件は、誰か別の者に頼むとしよう…そうだな、ネジにでも頼むとするか」

上忍になった日向ネジに申し訳なく思いつつ、シカマルは「そうまでして、俺をナルと同行させる理由はなんです?」と詰問した。


「言ってはなんですが、俺は戦闘向きじゃない。せいぜい後方支援できる程度ですよ」
「お前にはその頭脳があるじゃないか」
「買いかぶりすぎです。他にも理由があるんでしょう」
疑問形ではなく確信めいた発言に、綱手は「やはりお前は話が早いね」とバツが悪そうに苦笑した。


「天地橋へ何故向かうかは聞いているな?」
「【暁】のメンバーのひとりの部下…大蛇丸の許でスパイしてい
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