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ありふれた職業で世界堪能
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ないんだ」

「南雲を見捨てるしか無かった雑魚はすっこんでいろ。貴様の言う言葉はすべてが薄っぺらいんだよ。子供の正義ごっこは見ていて腹が立っていたんだ!!」

「正義ごっこだって!!」

「ならばここで貴様の幼稚さを証明しよう。流れ弾を売った奴が誰か、それを調べても居ないのだろう。悪意なき誤射なのか、悪意ある誤射なのか、それも調べていないのだろう!!」

「クラスメイトを疑うというのか!!」

「貴様の大好きな爺さんもその商売敵もまずは私情を抜きにして事実を調べる。それすらもしないお前を正義ごっこだと言って何が悪い。貴様の爺さんは私情で動くような男だったか?もしそうなら儂は軽蔑する。平等に扱わずに差別をする人間なのだとな!!そして、アレン、こっちにこい!!」

オレの声にスラムの餓鬼の一人が側にやってくる。

「こいつは儂が城から出た初日にスリを働いた子だ。飢えで死にそうだった上に病気の妹まで居る孤児だ。生きるために悪事を行ったこいつを貴様の薄っぺらい正義で誰をどう裁く?スリを働いたアレンか?アレンの負担になっている妹?孤児にした親?それとも孤児を保護しない政治?いやいや、困っている孤児を見つけることさえ出来なかったお前か?」

「……それは、スリは悪で、だが、でも」

「その上で聞くが仲間を見捨てて逃げるのはどうなんだ?儂から見ればそれは裏切りだ。期待に答えられなかったという努力の怠慢だな。貴様は知らない間に最低の行いをしている。法律上は問題ないのかもしれないが、人としては付き合いたくないな。騎士団長、貴方も儂を止めますか」

天乃川が悩んでいる間に今回の件の責任者である騎士団長に確認を取る。

「……いや、手切れ金として王都周辺を耕す権利を得ている以上業務に関わらないことで動きを制限することは出来ない」

「ふむ、つまり軍事行動であった道順を教えることも出来ないと」

「そうだ。だが、協力はしたいと思っている。私ができるのはこれだけだ」

地図らしき羊皮紙や水薬の入った瓶をを地面に置いて宣言する。

「撤退の際に一部物資を破棄した。私に出来るのはこれだけだ」

「いや、十分だ。感謝する。この恩はいずれ必ず返す」

騎士団長が破棄した物資を背嚢に詰める。

「アレン、ここの畑は好きにしろ。収穫物もだ。食うも売るも育てるも好きにしろ。ここの畑は税がかからん。育てた分は全部育てた奴の取り分だ。大人が適当なことを言い出したらこの薄っぺらい表面上しかない正義の味方に訴えろ。表面上の問題は解決してくれるだろうさ」

準備を整えた所でいざハジメの救出に

「待って!!」

行こうとした所で呼び止められる。見覚えがある女子が友人に支えられて前に出てくる。

「白崎か。何のようだ」

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