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駄目親父としっかり娘の珍道中
第89話 天使が善で悪魔が悪になるのは時と場合
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ない人らは気軽に会話を進めている。

 だが、その近藤と目の前の女性こと【リーゼアリア】はとてもそんな気軽な会話など出来る空気ではなかった。

(おいおいおいおい、マジかよマジかよ! よりにもよってこんなすっごい美人な人とお付き合いするってのかぁ!? しかもとっつぁんの話じゃそれ以上の関係になれって・・・いやいやいや! 俺にはお妙さんと言う立派な伴侶(自称)が居るんだ。こんなところで他所の女性にかまけているわけには・・・だが、このまま縁談が上手く行けば、俺は晴れて嫁さんを貰えるって事になる。だが、まだお妙さんとの関係だって捨てたもんじゃない筈だ! 一体全体どうすりゃ良いんだぁぁ!)

(ちょっとちょっとちょっとちょっと、マジなのマジなの! まさかこんな良い感じに顔の整った人とお付き合い出来るのぉ!? でも、何か相手の人凄い怖い顔してるし、もしかして私何か変だったかなぁ? 着物はちゃんと着付けて来たし化粧や肌の手入れもバッチリしてきた筈だけど、もしかして私何かタブーな事しちゃった? 踏んではいけない地雷とか踏んじゃった? やばいよやばいよ、なんか目の前の人みるみる顔色が悪くなってきてるよぉ!)

 と、お互いこんな事を心の中で呟きまくっているのであった。
 そんな中、関係ない二人のご老人がすっと立ち上がる。

「そんじゃま、後は若い連中にお任せするとして・・・それよりこの後どうです? 一緒にキャバでも」

「キャバ? キャバとは一体ーーー」

「あれれぇぇ! キャバクラを知らないぃ? こりゃいけねぇ。あんた人生の9割損してるよぉ」

「何と! そこまで損してしまっているのか?!」

「モチモチ。男の人生なんて嫁さん相手に腰振るのとキャバ行っててめぇの〇〇〇オッ立てるだけで充分なんだからして、それじゃまこれから行きますか?」

「それならば、是非ご一緒しましょう」

((あのじじい共この状況ほっぽってキャバクラ行く気かぁぁぁ!!))

 ガチガチに固まっている近藤とアリアを放置して、そそくさとキャバクラへと繰り出そうとしている二人に脳内で見事にシンクロしたツッコミが放たれた。

 と、言う訳で部屋の中に二人だけで残される結果となった事に、近藤の胸の鼓動は最高潮にまで高鳴っていた。

(やべぇよ、どうする? 何て言って会話を切り出す。やべぇ、何も思いつかねぇ。そもそも相手がお妙さんだったら幾らでも思いつくんだが、ダメだぁ! 真面目で魔法少女バトルが売りのリリカルなキャラクター相手に話せるネタなんか持ってねぇぇ! こちとら下品で血みどろでギャグ満載な銀魂キャラだぞぉ! そんな上等なせりふ回し出来る訳ないだろうがぁぁぁ!)

(やばい、どうしよう? 何て言って会話を切り出そう。えっと、趣味とか聞けば良いかな
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