9話
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突然の問いに答えるのとができなかった。
「沈黙は肯定とみなすで」
「えっと、恩恵なら刻まれましたがそれ以外はなにもしてませんよ?」
「ロキ、どうだい?」
「嘘はついてへん。本当に恩恵しか刻まれてないみたいや」
神々の前では下界に住む子供たちは嘘をつくことはできない。神々は嘘を見抜くことができるのだ。
「それで俺にそんなことを聞いてきた理由はなんですか?」
「あ、そんなこと決まってんだろ。Lv.1の雑魚のお前がLv.2のモンスターであるミノタウロスを石にしたって言うチート行為があったからだろうが!」
「え?だ、誰が見てたんですか!?」
「私だよ」
「だ、大丈夫だったんですか?!」
「う、うん」
ベルは焦った。見られたと言うことは石にさせてしまっていたからも知れないからだ。
「そんなに慌ててどうしたんや?何か不味いことでもあるんか?」
「そ、その……」
正直に話すか迷うベル。この魔法はある意味チートだ。転生する際の得点なのだから。
「もし、俺の視界に入っていたら石になっていたかもしれないからです」
「それはどういう意味だ。まるでアイズが石になっていたかもしれないと聞こえるが」
「その通りですよ。もし、あの時の俺の目に映る範囲にいたら問答無用で石になっていたでしょう」
「なっ、そんなことあり得ません!詠唱もなしそんなこと」
ベルの話を聞き、レフィーヤが声をあげる。その隣にいたリヴェリアも頷いている。
「詠唱はあります。ただ、短いだけ。あの時、既に詠唱なんて終えていましたから」
「でもそれならなんでアイズは石になってないの?」
「そうね。貴方の言うとおりならアイズは石になっているはずでしょ」
「恐らく距離が遠かったからだと。ヴァレンシュタインさんはLv.5ですから視力とかもLv.1である俺とはそれなりに違うはずです」
そう、たまたま今回は映らなかっただけ。もし、ベルの目に映っていたのであれば石になっていたのは確実だった。
「なら、証拠を見せてくれないか?それなら僕たちも納得できる」
「石にするやつなら使いません」
「あぁ、テメエこの状況でふざけたこと」
「ベート、落ち着け。それはどうしてだ」
「あの目で石にしたものは決して元には戻らないからですよ」
その言葉にフィンたちは言葉を無くした。
「それは本当なのかい?」
「ええ、ステイタスにもそう書かれています」
「嘘やない。ほんまのことや」
「石にさせる目は使いませんが。他の目で証拠を見せましょう」
そう言ってベルは目を閉じ、唱える。
「目を盗む」
その言葉と同時にベルの頬には蛇の鱗の紋様が現れる。
「それは」
「魔法なのかい?と思いましたね。そうです、これは俺の魔法
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