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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第152話:Destiny Battle
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くしゃくしゃに歪んでいた。
浮かぶのは狂気ではなく、苦痛と恐怖であった。
「ルナ…まさか…正気に…!?」
「怖イヨ…コンナノ…嫌ダ……!!」
その言葉にハッとなって彼女を見ると、彼女の瞳に宿るものが彼女の胸中を雄弁に語り、彼女を支配するのは、苦痛と恐怖、絶望であった。
「ルナ…!!」
「コンナノ…私…ジャナ…イ…!!早ク…撃ッテ…!!」
震える銃口から発射されたショットは、アクセルから大分離れた場所に飛んでいく。
彼女の中で自分の知るルナとイレギュラーとしてのルナがせめぎ合い、彼女の支配権を得ようとしているのがアクセルには分かった。
これしかないのだとアクセルはバレットを握り締めた。
「早ク…」
「ルナ!!」
「………っ!!」
アクセルの声と銃声、そして胸に走った衝撃に目を見開くと、ルナの目に悲しみを必死に抑えたような表情のアクセルとトリガーを引いたバレットが映る。
アクセルが放ったショットは隙間に通すような、針の穴に通すかのような鮮やかな一撃で彼女の動力炉を貫いたのであった。
「ごめん…本当に…ごめんよ…!!」
アクセルは呆然としている彼女を泣き顔で謝罪しながら見つめている。
数瞬の間を置き、ルナの体が、糸の切れた傀儡のように崩れ落ちたのだった。
そして倒れたルナにアクセルが駆け寄ったのは、それから間もなくであったが、命の灯火がもうじき尽きようとしているルナにとっては随分長い時間だと感じられた。
「ルナ…」
呼び掛けるアクセルの声の優しさに、ルナは涙が出そうになる。
シグマパレスに囚われて、心を壊されるまでずっとずっと会いたくて仕方なかった少年が目の前にいると言うのに体は全く言うことを利かず、全身の力が抜けてしまっている。
丁度寝起きの怠さに似ているが、現実は正反対であった。
これは眠りにつく倦怠感であり、眠りとはすなわち、彼女の“死”を意味しているのだ。
「ア…ハハハ…」
声を出すとノイズまみれの声が出る。
まともに声を出すことも出来ない自分にルナは自嘲の笑みを浮かべた。
「ルナ…」
「私…酷イ奴ダ…シグマニ…心ヲ壊サレテカラ…アクセル達ニ酷イコトヲシタノニ…ミンナヲ…傷ツケタノニ…」
「ルナは何も悪くない!!悪いのはシグマなんだ!!それに僕が弱かったから…君が…こんな…」
「アクセル…」
アクセルの言葉に涙を流しながら笑みを浮かべるとゆっくりと手をアクセルに伸ばすと、それを見たアクセルは戸惑いながらも力強く握り締めた。
彼に触れてもらえてくれているという事実が彼女の傷ついた心に温もりを与えていく。
「ヤッパリ…酷イ奴ダ私…ミンナヲ傷ツケテオイテ…アクセルヲ悲
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