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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 再開
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位置している。

「生きているものの存在に対してありえないことが起こっている。そうである以上、この世界が誕生から今、そして未来に至るまで一方通行の流れをたどってきたことはありえない。何か別の歴史で発生した神や悪魔、魔物、妖怪を持って来たとしか考えられない歪な世界。それが一輝君の生きた世界です」

根幹を成す存在がそもそもありえない世界。ならばこの世界は虚構であるのか。……それは、否である。そうであったのなら、彼はここまでの霊格を獲得していない。万に一つその可能性が真実だった場合には、語られるさ中、虚構に満ちる一輝の霊格は搾りかすになっているはずだ。

「異形の成り立ち、伝承の形は私たちの世界のものと変わらない。つまり、『同じ流れ』をどこかまで、最低でも妖怪の伝承が語られたところまではたどった世界が、間違いなく存在したんだ」

二つの世界で同じ流れが一度は存在していた。それが表すことは、一つ。

「つまり、この二つの世界には構造上の大きな違いは存在しなかった。大元は、同じだったはず」

元は同じ、一つの世界だったんだ。

故に、分かれた後も一度は同じ流れをたどった。では一体いつ分かれたのか。何故分かれたのか。その解は、鬼道の与えられた霊格の大きさと、彼らの敵が示している。

「分かれたのは、世界が誕生したその時に。誕生と同時に、世界はあるモノに蝕まれていた。それが原因で自分を半分切り捨てて……切除して、完全に遮断したんだ」

だからこそ、鬼道は世界を救うという功績分の霊格を与えられた。それを引き継いだ一輝はそれだけの霊格を保有している。箱庭を救うのと同じだけの存在質量を救う霊格を、リソースを獲得した。

「分かれた原因は、生物でいう病気にかかっていたこと。治すことはできず、だんだんと蝕んでくるそれを、切除して捨て去った」

しかし、捨てられた側は意志を獲得した。自らの死を認められなかった。それ故に一度は全く同じ歴史をたどり、滅ぶことが確定したが故に滅ぶ前にリソースを回収した。

「そこから行ったのは、スケールの大きい対照実験だ。一度目の歴史で発生した様々な人間の空想、妄想。それが構成する世界を作って、より長く続くものだけを残し、データを蓄積した。だから妖怪が生物として存在する世界を作っても、妖怪を構成するのは人間の都合、人間の妄想だった。その上で人間が主体の世界になったのは……偶然、かな」

そう、その点に関してはただの偶然でしかない。世界にしてみれば、自分が生き残れるのなら主体となる生物は人間でも猿でも犬でも猫でも、極論アメーバでもよかった。事実、それらを主体とした世界も何度も構成し、何度も滅び、何度も回収している。

「そうして崩壊と回収、新規実験を繰り返していたところに、ある人物が捨てられてきた。箱
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