十一話目
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浮かべる。間違いなくアタリを引き当てることができた。
「オレ達が幸運なのか、それとも匙が幸運なのかは分からないけど、これなら行ける」
手にした力に笑みを浮かべる。対抗できるだけのカードを手にしたのなら勝ち目はある。
一人でわずかに及ばないのなら、三人でなら超えられる。
「リスクは悪魔側に目を付けられる。態々怪盗姿で正体を隠してた意味はなくなる」
「でも、それは今更じゃ無い?」
四季の言葉に既にソーナの眷属の二人を助けた時点で力の事は知られている。見捨てなかった時点で今更だ。
「正体を隠すのにも意味はあると思う」
「なら、怪盗と素顔。バトルスタイルは変えるのは丁度良いか」
続いて雫の言葉に四季は答える。
三人の考えは最初から決まっている。
ここまで関わった以上は、助けないなどという選択肢など、有り得ない!
頷きあうと三人でハイタッチを決める。
「行こう」
「ええ」
「うん」
「ああああああああああぁ!!!」
絶叫を上げて暴れ回るアナザーリュウガ。アナザーリュウガに変えた匙へとナイトローグが下した最優先の命令は一つ。眷属の仲間と主人を始末しろと言うもの。
最初は自分の意思に反して命令を実行しようとする体に抵抗していたものの、アナザーリュウガと言う力の濁流に匙と言う意識は時間と共に飲み込まれていく。
「さ、匙……」
「ガアァ!」
ソーナ達の警戒を嘲笑うようにミラーワールドの中を悠々と移動しながら再度襲撃してきたアナザーリュウガ。
今度は四季が気絶している内に詩乃からアナザーリュウガに変えられた匙が襲撃してくる危険性を伝えられていた事で動ける生徒会役員の眷属全員で揃っていたと言うのに成すすべなく全員が地に伏していた。
反射能力で自分達の攻撃は撃ち返される上に相手の戦闘力は高い。しかも、何者かに操られている自分達の仲間と言う悪条件が重なっているのだ。
全員がアナザーリュウガの攻撃で一方的にボロボロにされたわけでは無い、自分達の攻撃を撃ち返されて負った傷もある。
アナザーリュウガの能力に似た能力を持った神器を宿した眷属の女王で生徒会副会長の椿姫、彼女が一番傷が酷い。
「匙、目を覚まして下さい!」
「ガァア!」
ソーナからの説得の言葉も匙を支配しているアナザーリュウガの力には届かない。右腕のドラゴンを模した手甲から青い炎を撃ち出す。
心の中で匙の意思はやめろと絶叫するが、アナザーリュウガは止まらない。ドラグクローを模した手甲から撃ち出された青い炎がソーナと倒れた彼女の眷属を飲み込もうとす
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