第六章
[8]前話
老人に老婆の伝言を伝えると彼は相変わらずの不機嫌な顔でこう言った。
「精々養生しろ」
「その言葉は妹さんに伝えなくていいよな」
「わしの独り言だ」
「そうか、あとあんた痛風だよな」
「それがどうした」
老人はホイットマンに顔に出ている不機嫌さをさらに強くさせて言葉を返した。
「何かあるか」
「いや、あんたも養生しろよ」
「わかっておる」
「妹さんにしてもな」
「あいつも痛風だしな」
「兄妹でかよ」
「そうだ、足が痛みとにかく苦しいからな」
自分も痛風になっているからこその言葉だった。
「そう思っただけだ」
「そうか、じゃあお互い注意しろよ」
「ビールには要注意か」
「あと卵とかにも注意しろよ」
こう老人に笑って話した、すると老人はわかっとるわとその不機嫌な顔で答えてだった。そのうえで二人に一応の感謝の言葉と結構多い報酬をくれた。ホイットマンは報酬が仕事に割に多いんじゃないかと言ったが老人はそんなものだと返すだけだった。それが老人が二人に対する本当の気持ちだったことは二人もわかった。
ことを終えた二人はフェニックスを出ようとした、するとそこでだった。
ホイットマンの手にあるものが宿った、それは何かというと。
「デビー=クロケットの帽子やな」
「ああ、西部劇のな」
「実在のガンマンやな」
ホイットマンは自分の手にある」アライグマの毛皮で作った尻尾まで付いている帽子を見て述べた。
「あの人の帽子がや」
「自分の新しい神具やな」
「そや、僕を武器や術から守ってくれてな」
防具であってとだ、ホイットマンはスタインベックに心の中で言って来る言葉を話した。
「そしてな」
「他にもあるか」
「運をめっちゃよくしてくれてガンの威力も上げてくれる」
「それはええもんやな」
「ああ、そして神託を適えて」
ホイットマンは自分の中に言って来る言葉そして自分の実感をさらに話した。
「僕は全体的に一回り強くなったわ」
「そうもなったか」
「そやからな」
「その新しい神具と力でやな」
「これからも戦ってくわ」
「ああ、ほなな」
「次の場所に行こうな。この世界を救う為に」
明るく言ってだった、ホイットマンはその次に行く場所に向けて一歩を踏み出した。その足取りは非常に強いものだった。
老人からの依頼 完
2019・5・22
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