第七章
[8]前話
「貧乏なね」
「悪事でお金を儲けてですか」
「生きていきたくてこっちに出たしね」
スウィートウォーターにとだ、老婆はルイスにも言葉を返した。
「ならこのままね」
「悪事を働き続け」
「儲け続けてやるさ」
「お話は聞いたわ、では今度は悪党退治ね」
あっさりとだ、デリーロは言ってだった。
「いい運動になるわね」
「そうですね、では」
「ちょっとね」
「やりましょう」
ルイスはデリーロに応えた、そしてだった。
二人は保安官と共に老婆とその手下を瞬時に倒した、星の者達である二人にとって街の犯罪者達なぞ敵ではなかった。
老婆も手下の者達も捕まり街の非合法の薬の製造や密売そしてその他の犯罪行為も全て摘発され老婆は殺人にも関わっていたことから幹部達と共に死刑となり魂も消され手下達も厳罰となった。
二人は保安官から感謝の言葉と報酬を貰い犯罪組織を一掃したことから市からも表彰された。ただし身分を隠したうえで。
そしてその後でだった。
デリーロはルイスをテクス=メクス料理アメリカ風メキシコ料理の店に案内した、そこでだった。
豆とトマトを抜いたテキサス風チリコンカーンに薄く切った牛肉と野菜を鉄板で焼いたファヒータのトマト味のピラフメキシカン=ライスにチーズにトマトやチリを加えて温めたディップに小麦粉の平焼きパンを揚げてタコスの具を詰めたチャルーバ、ミガスという細かく千切った玉蜀黍のトルティーヤにデザートにバニラアイスを頼み酒はテキーラを注文してだった。
二人で楽しく飲んで食べた、その中でだった。
デリーロの手にあるものが宿った、それは何かというのはすぐに彼の心の中に声が言ってきた。
「これはグリダヴォルというのね」
「その杖はですね」
「そう、魔法の杖よ。武器になって」
そしてというのだ。
「あたしの知力も上げてくれるわ」
「いい武器ですね」
「そして神託を乗り越えて」
心の中に語り掛けてくる言葉を聞きつつだ、デリーロはさらに話した。
「あたし自身も全体的にね」
「強くなったのですね」
「一回りね」
「そうなったわ、ではね」
メキシカン=ライスを食べつつの言葉だった。
「楽しく飲んで食べて」
「それからですね」
「次の場所に向かいましょう」
こうルイスに言った。
「その後でね」
「そうですね、神託は乗り越えましたが」
「まだまだあたし達にはやることが多いから」
「それ故に」
「また行くわよ」
デリーロはテキーラを飲みつつ言った、そしてだった。
目と心を次に向かう場所に向けた、世界を救うことが念頭にあるが故に。彼の戦いはまだ続くのだった。
本物はどちらか 完
2019・5・23
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