第二章
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「父はとかくです」
「女好きで、ですか」
「はい、私が生まれた後に」
「十六人ですか」
「その行方が知れない妹を含めて」
「それだけの人をですか」
「母との間に私を入れて七人で」
そしてというのだ。
「母以外の。相手は六人ですが」
「その人達との間に九人ですか」
「そしていつも娼館に行っていました」
「かなりの人やったんですね」
「他のことは問題なかったですがとかく女好きで」
葡萄酒を飲む金に話すのだった、麺も他の羊肉の料理も餅も実に美味い。
「母も病気だとです」
「諦めてましたか」
「はい、女好きでも他の人と交際していたり結婚している人には手を出さず」
「道は弁えてましたか」
「それで女好きでも人から恨みは買っていませんでした」
「それは何よりですね」
「そのことは救いですが」
餅を美味そうに食べる金に話した、金の横では陳が羊肉串を食べている。
「今回は、です」
「その末の妹さんが」
「これまで母親と共に西安で暮らしていたそうですが」
「この銀川に戻って来たと聞いて」
「私は弟や妹は大事にしたいと考えています」
主は金に真剣な顔で言った。
「ですから」
「何としてもですね」
「妹を探したいのです」
「それで依頼を」
「はい、十九歳位のコボルトの娘です」
それが特徴だというのだ。
「そして言葉に西安訛りのある」
「そうした娘さんですね」
「それで探してくれますか」
「わかりました、その三つが揃うと」
どうかとだ、金も答えた。
「条件が限られてますね」
「そうですよね、では」
「その三つから探してみます」
「宜しくお願いします、あとこの馳走と酒は私の気持ちなので」
それでとだ、主は二人にさらに話した。
「ですから」
「存分にですか」
「飲んで食べて下さい」
「では」
「はい、おかわりもありますので」
馳走も酒もというのだ、こう二人に話してだった。
主は自身も入れて三人で楽しんだ、そして翌朝金は陳と共にこれまた主の好意で泊めてもらった屋敷の風呂でだった。
昨日の酒による二日酔いを湯舟で解消しつつだ、共に風呂に入っている陳に言った。
「さて、十九歳位のコボルトの娘で」
「西安訛りの言葉やな」
「その娘を探す」
「この銀川でか」
「そや、この銀川も百万以上の人がおるが」
「それでもやな」
「この三つとなるとな」
どうかと言うのだった。
「かなり限られるやろ」
「そやな」
「それだけでな、しかも馬家の先代さんは有名人でな」
このことからもだ、金は陳に話した。
「相手の人のこともわかってる」
「僕等が探してる人のお母さんのこともか」
「そや、先代さんは生まれた子は全員認知したし」
自分の子とだ。
「そして相手が
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