第二章 十三年の孤独
第46話 黒い手紙
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され封筒から一枚の紙を取り出す。
出てきた黒い二つ折りの紙を開くと、そこには白い文字でこんな事が書かれていた。
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色彩の世界の住人へ
夜分遅くに失礼。
空の街【ヒンメル】での演出は気に入ってくれたかな?
やはりこう言う果たし状を送る時は少しばかりの演出も必要だ。
まあ、ちょっと犠牲者が出ちゃったみたいだけど。
明日、ヒンメルの太陽が真上を指す時。
街の西側にあるグラウンドで君達を待つ。
もちろん君達に拒否権など無い。
まあ、受けなければ今度は柱だけじゃ済まないけど……
四代親衛隊モノクローム カオス
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「! これって」
「誰だ?」
『カオス』……手紙に書かれた名前に戦慄するフェイ、アステリとは対照的に、不思議そうに声を発した神童。
無理も無いだろう。要所要所の会話でカオスと言う男の名前が出はしたものの、天馬、フェイ、アステリの三名以外は実際に彼と会った事が無いのだから。
アステリはカオスを知らない神童達も話について来れるように、以前の試合の事を簡易的に説明した。
「じゃあこの手紙は、そのカオスと言う男から送られた果たし状と言う事か」
「手紙の一文を見るに、今回の事故もこの手紙の存在を俺達に知らせる為にわざとそいつが起こしたようだな」
「そんな理由であの事故を!?」
手紙の内容を知り次々と発言する一同をよそに、剣城は手紙を持つ天馬の手が震えている事に気付いた。
目線を上げたそこには今まで見た事も無い、激しい怒りと悲しみに満ちた天馬の姿があり、剣城は目を見開く。
「天馬……」
驚き、声を零した剣城をよそに天馬は苦しそうに顔を歪め言葉を発する。
「許せない……そんな、そんな理由で関係の無い人達まで巻きこむなんて……ッ!!」
絞り出すように叫んだ天馬の胸はカオス達に対する怒りと共に、シエルやヒンメルの住人に対する罪悪感でいっぱいになっていた。
あれからどれ程の時間が経っただろうか。モノクロームとの試合を明日に迎えた天馬達は、試合の為にと早めの就寝についていた。
明かりが消され暗く沈んだ部屋の光景を目に映しながら、天馬はベッドの中で浅いため息をつく。
「眠れないのか」
暗闇から聞こえた声に驚き身を起こすと、パチリとベッド横の卓上ランプの灯りがつき、声の主の姿が浮かび上がる。
「剣城、狩屋……」
ランプの灯りに照らされ映し出されたのは、同じ部屋に泊まる剣城と狩屋の姿だった。
「二人も?」
「まあね」
「今日だけで色々な事があったからな……」
イレギュラーの事、ヒンメルの事、明日の試合の事……
様々な事を考え
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