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色を無くしたこの世界で
第二章 十三年の孤独
第44話 出会い
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がら待っていると、神殿の中から白いローブにフードを被った一人のイレギュラーが姿を現した。

「あれが長……」
「やっと来たんだね。待ってましたよ、松風天馬」
「えっ?」

 白フードのイレギュラーから発せられた言葉に天馬は目を見開く。
 「なぜ自分の名前を」……そんな事を思考するより前に、イレギュラーは天馬の前まで近付き、被っていたフードをそっと外した。
 そうして露出されたイレギュラーの姿に

「――!?」

 一同は驚愕した。

「はじめまして。私……いや、アナタ達には"俺"……かな。【ヒンメル】の長を務める『シエル・ウィンド』と申します」

 そう言って不自然な程丁寧な言葉で挨拶をするイレギュラーの姿は。

「俺……!?」

 紛れも無い『松風天馬』だった。
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