宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 7
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その分、体はしっかり鍛えてある。加藤も似たようなものだろう」
「そうっすけど、副長程タフってわけでもないですよ」
「若い奴が何を言ってるんだ。そんなんじゃあ、女を満足させられんぞ。オレの妻はマジで怪物だった。エンジントラブルとか空中分解より死の恐怖を味わった」
普段は豪快な性格、酒が入ると更に豪快、そして夜も豪快。でもデートの時は精一杯のお洒落をしてしおらしくなるのがもうね。ギャップにやられたんだよな。懐かしい。
古代君と島君の試合は既に8ラウンドが経過した。疲労と酸欠で思考がまともに整っていないな。なんでこんなことをやっているのかすら曖昧になっているだろうな。ただ、自分の意見を曲げる訳にはいかない一心で殴り合っている。
「いいかげん、倒れろ!!」
「お前の方こそ!!」
躱すことも防御することも出来ずに一発ずつの殴り合いになっている。
「オレは、お前が羨ましい」
「何がだよ」
「オレの父さんは、普通の人、だった。お前のところみたい、周りに自慢、できるようなことはなかった」
古代君の一発で島君がダウンしてカウントが取られ始める。
「話も出来た。それが羨ましい。オレは、いきなりだった。父さん達は、何も残せず、残して欲しかった」
まあ、そんな奴の方が多いさ。こんな時代だ。船乗りとしての思いを残してくれた島は幸運だ。オレ達おっさん世代なんて残す側だからな。
「お前には、お兄さんが居ただろうが!!」
「ああ、そのとおりさ!!」
8カウントでどちらも立ち上がりファイトポーズを取る。
「そのお兄さんが殺されたってのに、なんでガミラスを倒すことにためらうんだよ!!」
「兄さんは軍人だった。死ぬのも覚悟していた。だから、そのことでガミラスを恨むことはない。ガミロイドやメルダのことも副長や副長補佐の話で余計に個人の恨みで戦うようなものじゃないと思うようになった!!」
「じゃあ、何のために戦う!!」
「この旅を続け、地球を救うためだ!!オレ達は、そのためにイスカンダルを目指している!!木星の前線基地や、冥王星の基地を攻略し、ヤマトはガミラスと戦えることが分かった。だが、ヤマトの目的にガミラスと戦うことは含まれていない!!ヤマトの目的の障害になっているから戦っているだけだ!!目を覚ませ、島!!死んだ親父さんの思いを踏みにじりながら、地球で待つ家族を助けれなくなってもいいのか!!」
古代君の言葉にガードが緩んだ島君の顔面に綺麗にストレートが入り、島君が完全にダウンする。
「皆も聞いてくれ。今は、ガミラスとの開戦については考えないでいよう。いや、個人で悩むのは良い。だが、騒ぎ立てずにいよう。オレ達は地球を救う。そこだけは絶対に忘れず
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