第二章 十三年の孤独
第40話 助っ人
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ると一つ頷き、「じゃあ」と言葉を発した。
「皆さん、準備は良いですか」
静まり返った部屋に響いた彼の言葉に一同が強く頷く。
両腕を胸程の高さに掲げ、深く息を吸い込む。
吸い込んだ空気を外に吐き出すのと同時に、掲げた二本の腕からモノクロ色の気がオーラのように立ち上り、天馬達の足下を通りすぎていく。
ひんやりとした冷気にも似た感覚を感じるのと同時に、ふわりと自身の体が浮遊する感覚に襲われた。
「え」
直後、全身に風を感じ天馬は目を瞬かせた。
足下を見てみるとそこに地面はなく。ブラックホールのような暗い空間が下へ下へ続いているだけだ。
「うわああああ」
突然の事態に驚く天馬達に、アステリが声をかける。
「安心して。これはワープホールのような物。このまま落ちていけばモノクロ世界にも無事到着するから」
「そ、そうなの?」
「でもこれ……どうやって着地するんだ……」
比較的冷静な様子で剣城が尋ねる。
「あ」
「え、『あ』ってまさか……アステリ……?」
全員の頬に冷や汗が伝う。
まさか、まさか、まさか……
「……着地の事、考えてなかった」
「ええぇ!?」
しばしの沈黙の後告げられた言葉に、その場の全員が声を上げる。
その間にも落下する速度は上がり続け、天馬達は黒い空間を落ちていった。
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