第一章 ハジマリ
第35話 再戦VSザ・デッド――必殺タクティクスと謎の化身
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じられ地面に倒れこむ雷門イレブンが声を上げる。
自身目掛け猛進してくる黒い獣の姿に、天馬は咄嗟にかわそうと体に力を込めるが、上手く動く事が出来ない。
いくら気合いでスキアの力を弾き飛ばしたと言え、試合中の相手のラフプレーに体はすでに限界が来ていた。
黒く巨大なソウルの猛進を目に、天馬は反射的にまぶたを強く瞑り歯を食いしばる。
――マズイ、このままじゃ……
「潰される」……
そう思った、次の瞬間。
「!? ぐあ……っ!?」
まぶたを閉じた暗闇の中、強烈な衝撃音と共にスキアのうめき声が聞こえ、天馬は目を見開いた。
「…………化身……?」
天馬達、雷門イレブンの目の前に突如として姿を現したのは『翠色の髪を持つ巨大な化身』だった。
突然の事態に雷門イレブンはもちろんの事、ザ・デッドの面々も驚きの声を上げる。
ふと天馬は巨大な化身の足元へと目をやる。
そこには謎の化身の発動者だろう、真っ黒なローブを着た人物がいた。
「……!」
「? ……君は……?」
その場の全員が混乱する中、力無く吐きだされた天馬の言葉。
その言葉に答えるように、ローブの人物は背後に立つ天馬の姿を一瞥する。
目深にかぶったフードのせいで顔はよく見えなかったが、その中で唯一見る事が出来た、緑色に光る瞳が天馬の脳裏に焼き付いた。
ローブの人物はスキア達、ザ・デッドメンバーの方へと向き直すとグラウンド――いや辺り一面を緑色の光で照らし始めた。
その光景にスキアは目を見開き驚くと、広がる緑色の光から身を守るように咄嗟に両腕で自分の顔を覆い隠す。
「っっ…………これ、は……っ……!」
謎の人物の発した光に苦しそうな声を上げるスキア。
色のある世界では消えてしまうと言うイレギュラー……
スキアやザ・デッドイレブンもそうなのだろう。
皆一様に光から逃れるように、顔を背けては苦しそうな声を漏らした。
ようやく光が無くなり顔を上げたスキアは、目の前の光景に唖然とした声を漏らす。
「…………いない……」
先程まで目の前にいたローブの人物はおろか、天馬達雷門イレブンの姿がどこにも見当たらない。
「逃げられちゃいましたか……」
「……どーすんだ、コレ。…………クロト様に怒られてもオレ、知らねぇからな」
呟いたスキアの背後でマッドネスは呆れた様に言葉を放つ。
あのローブの人物がいなくなったからか、辺りも自分が造った灰色の世界のまま、何も変わった様子はない。
「だから早く終わらせろと……」と言葉を続ける彼を無視し、スキアは乱れた髪を右手で直しながら何かを考え込む。
「……チッ、聞いてんのかよ……スキア」
「えぇ、聞いてますよ。あまり大声出さ
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