第一章 ハジマリ
第35話 再戦VSザ・デッド――必殺タクティクスと謎の化身
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る様に飛散すると天馬の体にあった圧迫感や脱力感と共にその効果を消し去ってしまった。
「な…………ッ」
目を剥き驚きの表情を浮かべるスキア。アステリを取り囲んでいたザ・デッドイレブンも、予想外の事態に愕然と声を上げる。
それは今まで飄々と余裕の態度を示していたスキアを初めて怯ませた瞬間だった。
『松風選手!! ザ・デッドの必殺タクティクスを気合いで跳ね飛ばしたぁ!!』
「天馬……!!」
もうダメかと思われた天馬の再起の瞬間に、アルは叫び、フェイや神童達雷門イレブン、それにアステリも嬉しそうに彼の名前を呼んだ。
痛む部位をおさえながら、天馬はゆっくりと立ち上がると、目の前のスキア目掛け言葉を続ける。
「俺はお前達になんかに負けたりしない! 諦めたり、逃げたりしない!! 何かを大切だと思う気持ちや、皆との間に生まれた絆がなくなっちゃうなんて……そんなの俺、絶対に嫌だから!!」
そう叫ぶ言葉は天馬の思いだった。
"怖い""辛い""苦しい"……そんな負の思いを打ち消す程の強い決意が、ボロボロになった天馬の体に力を与えていた。
「自力で私の力を振り払い、打ち消した……たかが人間が、私の力を……? そんなの……そんなのって…………ッ」
顔を俯かせ、ワナワナと震える声で呟くスキア。
自分の力が破られた事に対し、怒りの感情を露呈し始めたと誰もが思った。
だが、そんな彼等の予想とは裏腹にそこで見た彼の表情は――
「そんなの、すっごく個性的じゃあないですかぁ……ッ!!」
狂気を感じさせる程の、歪んだ笑顔だった。
「!?」
「あぁ……やはりクロト様の下について良かった。こんな絶望的な状況でなおも力を振るえる、"平凡"では無い"特殊"な方と出会えたんですから」
「何、言って……」
困惑する天馬をよそに口角を引き上げ、興奮した様にスキアは続ける。
自分の力が打ち消された事を嬉しそうに語る彼からは、先程までの冷静な態度は消え失せていた。
恍惚と顔を歪ませ自身を見詰めるスキアの瞳に、天馬は寒気にも似た恐怖に一歩、後ずさってしまう。
その動作をスキアは見逃さなかった。
「おや、怖がらないでください。私はただアナタ様のような他人とは違う"個性"を持つ存在が好きなだけなんです」
天を仰ぐように向けられた頭を戻し、こちらを凝視するスキアに天馬はとっさに身構えた。
そんな彼の姿に一つ笑みを浮かべると、舐めるような視線のままスキアは呟く。
「良いですね、とっても個性的で………………壊したくなる」
直後、スキアは足元に転がるボールを拾うと、そのまま全身を黒い光に包みこみソウルを発動させた。
「ッ……! 天馬!!」
アステリ、そして動きを封
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