第一章 ハジマリ
第33話 再戦VSザ・デッド――影の力
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ステップでザ・デッドイレブンのディフェンスを突破していきます!!』
「自分が点を決めなければ」……その思いから地面を踏みこむ足にも自然と力が入る。
パスを繋いでゴール前に上がっていくフェイ。駆けあがるスピードを上げて真っすぐに突っ込んでいった途端、視界が黒く染まる。
ハッと顔を上げたフェイの目の前には、あの単眼の影の姿があった。
「こんにちわ、フェイさん」
「ッ……!」
不意をつかれ、前へと駆ける足が停止するフェイ。
すぐさま後ろの選手にパスを送ろうと視線を映すが、皆一様にザ・デッドイレブンにマークされておりパスを出す事は出来ない。
ならばと目の前の異形を抜き去ろうとフェイが懸命に動くも、自身の動きに合わせ移動するスキアを簡単に抜き去る事は出来ず、彼の顔に焦りの色が見えてくる。
「おや、まだそんな機敏な動きが出来ますか……なかなか頑張りますね。__もう、力も無いクセに」
「――!」
耳元で囁かれた言葉にフェイはカッと顔を紅潮させると、目の前の男を睨み付けた。
それと同時に先程から痛み出していた頭が、更に強く響く様に痛み出すのを感じ、フェイは顔を歪ませる。
「お前、ボクに何をした……ッ!」
語気を強め尋ねたフェイを一瞥すると、影の世界を見上げスキアは話し出す。
「……この世界は人間の持つ"影"に干渉し、乱す力がありましてね」
「影……?」
怪訝な顔で呟くフェイにスキアは言葉を続ける。
「古くから、影と言う物は多かれ少なかれその生物の魂が宿るモノ。この世界に長く滞在しますと、影を通じだんだんとその魂が乱れていき……感情の起伏が激しくなったり、力を過剰に失ったりするのです」
スキアの言葉にフィールドに立つ雷門イレブン全員が驚きの表情を浮かべる。
――「……それに、この世界に人間が長居するのもあまりオススメ出来ません」――
一番初めにこの影の世界に連れてこられた際にスキアに言われた言葉。
その言葉の真意を理解するのと同時に、頭の痛みはより一層激しくなっていく。
「他のメンバー以上にアナタが力を失っているのは、前回のゲームでデュプリや化身等、力を大量に使う行為ばかり行っていたから……今も、立っているだけでやっとのハズなのに……試合に出るだなんて――――バカですねぇ」
大きな単眼を歪ませ、侮辱の意を込め唱えるスキア。耳元で囁かれたその笑い声が、過敏になったフェイの神経を余計に刺激した。
「違う……ッ!! ボクはまだ、戦える!!」
叫ぶのと同時にフェイはスキアのマークを振り切ると、ゴール目掛け勢い良く駆けだした。
『フェイ選手! スキア選手のマークを振り切り、ゴール目掛け一目散に走り出す!!』
「フェイ!」
「ボク
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