目覚め
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<エルフの隠れ里>
まだ夜も明けきらぬ前に、リュカの寝ている部屋の前に集まる4人。
エルフ達を刺激せぬ様、早めに村から出て行く為、身支度を調えたのだが…案の定リュカが起きてこないのだ…
「なぁ…リュカはんの事や、誰が女を連れ込んどるんやないか?」
「連れ込むって…エルフしか居ないのよ!?」
「カリーって女戦士じゃないか?剣を突き付けておきながら、抱き寄せられてたぞ!」
「女王様もリュカさんの笑顔で虜になってた様に見えましたよ!」
ヒソヒソとそんな話をしていると、リュカが部屋から静かに出てきた。
「あれ?みんなどうしたの?」
すぐに扉を閉めた為、中を確認する事は出来なかった…
「リュカさん…中に誰か居るんですか?」
「………そんな事を聞く必要ある?」
リュカは昨晩の事を教えるつもりはない様だ。
「世の中には知らなくていい事もあるんだよ。それが大人になるって事だよ。諸君!」
リュカは4人を部屋から遠ざけ、退村を促す。
エルフ族と人間との間でトラブルが起きぬ様、祈るしかないだろう…
<エルフの隠れ里近郊の森>
「ハツキ…」
リュカはエルフの隠れ里よりノアニールへと向かう道中、ハツキに声をかける。
「はい、何ですかリュカさん?」
「これ…カリーから貰ったんだけど…ハツキが使ってよ」
そう言って手渡されたのはアンが使用してた聖なるナイフだ。
「こ、これって!?アンさんの形見じゃ…!?」
「うん。カリーに渡したんだけど、僕等が役立てた方がアンも喜ぶからって…」
「で、ベットの中で渡されたんですか?」
「…イッテルイミガワカリマセン」
「……………」
ジト目で見つめるハツキ…
視線を合わせないリュカ…
「ふぅ…そうですね、アンさんの為に私が使用させてもらいます」
「ありがとう」
「でもナイフだと攻撃範囲が狭いから、素早く動ける様に特訓しないと…」
「うん。僕も手伝うよ」
リュカの笑顔と一緒に特訓と言うご褒美に、昨晩の事などどうでもよくなってしまうハツキだった。
<ノアニール>
アルル達が村へ入ると、奥の方からイノック老人が小走りで近付いてくる。
「おぉ…アルル殿!エルフの女王には会えましたか?」
側に立っていたリュカとは視線を合わせず、アルルとだけ話を進める。
「はい。呪いを解く方法入手にも成功しました…」
「なんと!!ありがとうございます!では、早速…」
「アンタ、自分の息子の行方はどうでもいいのか?」
冷たい口調でリュカが問う。
「いいわけない!…だが、探しようがないのだ…足取り一つ掴めなかったのだから…」
イノック老人は怒りと悲しみの目で、リュカを睨み付ける。
「何処か別の地で…二人幸せに暮らしていると思い、祈る
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