第三章
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「気が逸るのわかるけどな」
「それでもでしか」
「ここは落ち着いてな、夜も遅い」
「寝るべきでしか、睡眠も取らないとでし」
このことは郁もわかっていた、学者だけあって人体のことも頭に入っているのだ。
「駄目でしな」
「そや、ほなな」
「宿屋に戻って寝るでし」
「そして明日の朝にな」
「川の方に行くでし」
このことを決めてだった、そのうえで。
二人は今は宿屋に戻って寝た、そして朝に日の出と共に起きて宿屋を出てだった。途中朝早くから開いている屋台で饅頭を買ってだった。
それを歩いて食いながら川に向かって川の岸辺を上流の方に歩いていった、もっと言えば川の上を二人で宙に浮かぶ術を使って歩いて進んでいった。
そうして上流に行くと上流は森だったがその森の中にだった。
多くの石化モンスター達がいた、そして彼等は皆川の水を飲んだり用を足したり身体を洗ったりしていた。
その状況を見てだ、郁は王に言った。
「謎は解けたでし」
「そやな、この連中が上流におったからな」
「皆石になったでし」
「そういうことやな」
「それで、でしが」
郁は王にさらに言った。
「中国は元々石化の能力を持っているモンスターが少なくてでし」
「山西省は特にやな」
「そうしたモンスターが少ないでし」
「それやのにここまでおるってな」
「これはモンスターを集めている奴がいるでし」
このことを指摘したのだった。
「密売業者がです」
「それでここをアジトにしてたか」
「そういうことでしよ」
「その通りだよ」
郁が言ったところでだった、そこで。
森の中から武器を持った柄の悪い一団が出て来た、彼等は二人を囲んだうえでこう言った。
「この山西省じゃ石化能力を持つモンスターは殆どいねえからな」
「だから高く売れるんだよ」
「モンスターを飼いたい奴や闇闘技場にな」
「だから集めてたけれどな」
「どういう理由で俺達のことに気付いたか知らねえが」
「気付いたならわかるよな」
「勿論でし」
郁は密売業者達を蟹の目で見据えつつ答えた。
「僕ちん達を消すつもりでしな」
「そうさ」
「じゃあいいな」
「覚悟しな」
「こっちにはモンスターだっているしな」
「石に変えることだって出来るしな」
「並の冒険者や兵士ならそうでしな」
郁は当の石化能力を持っているモンスター達まで獣使いの者に操らせてけしかけようとするならず者達にこう返した。
「殺されるか石に変えられるでし」
「お前等もそうなるんだよ」
「今からな」
「じゃあ覚悟はいいな」
「どっちがいいか選ばせてやるぜ」
「どっちでもないでし、僕ちん達は並の者ではないでし」
「ほなやるか」
王も郁に顔を向けて言う、既に彼は身構えている。
「今から」
「
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