死力を尽くし、犬死せず
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クと名乗るようになった。なんでもこちらの方が呼びやすいだろうと。確かにシロウ・エミヤというのは、発音し辛いのは確かで。ジャックの方が良かったが……誰もが彼をBOSSと呼んで。畏れ多く、とてもじゃないが名前でなど呼べるはずもなかった。
苦境から救い出してくれる度、供に戦う度、マクドネル達は国ではなく、理想ではなく――彼にこそ、忠誠を捧げて生きる事を決めた。偉大なBOSS。勝利のボス。どこかで死んでいた方が、余程現実的なのに、彼は最初の宣言の通りに理不尽を叩き潰し続けた。
兵士として、男として――その手腕とカリスマ性に痺れた。彼に尽くす事こそが兵士の本懐であると。彼の功績を語り継ぐために、絶対に生き抜いて見せると誓った。
サーヴァントという過去の偉人、伝説や神話の存在を仲間に加え。遂にはグレートプレーンズにまで辿り着いて。そこからが、本当の戦いの始まりだった。
悪魔のように厳しい女サーヴァント。化け物よりもなお恐ろしい化け物。敬愛する兵士達の母。彼女の半年と少しをかけた訓練を、死に物狂いで耐え抜いたマクドネル達は――信じ難い事に『人類愛』の最精鋭となっていた。
この北米大陸に比類ない、世界最強の部隊であると讃えられた。悪い気はしなかったが、それよりも。
『相手を敬い、礼を示す行為をこそ「敬礼」という。俺はお前達に敬意を表する。これが本物の敬礼だ』
――その、誰よりも尊敬するBOSSに敬礼された事に魂が痺れた。
ぶるりと震えたのは、マクドネルだけではない。他の兵士達も、きっとそうだ。
この人の為に死のう。生き延びる事を叩き込まれた兵士達だが、誰もがその心命を捧げようと改めて誓って、彼の為に……偉大なBOSSの為に……『人類愛』の為に何もかもを捧げる事に躊躇う事など有り得ないものとなった。
自分達に懸かっている。数える事も出来ない大軍がマザーベースに侵攻しているのを目にした時、マクドネル達は悟った。これを覆す役目が自分達である。そしてそれをBOSSが期待してくれていると理解した。
ならばやらねばならない。俺達がやらねば誰がやるというのだ。マクドネル達は奮起して各地に散った。強力な味方を探し求めて。
密かに隠れ住む難民の集落に訪れる兵士がいた。
幾人かのサーヴァントを発見して観察し、仲間になれるか探る兵士がいた。
重傷者を抱え、彼らを護る天使を見つけた兵士がいた。
先住民達を護り、レジスタンスを名乗る私兵集団を率いる赤い悪魔を見つけた兵士がいた。
遠くにまで向かい、現地の大陸軍を纏めあげ、組織的に抵抗する機械の軍団を見つける事になる兵士がいた。
そんな中でマクドネルだけは違う事を考えていた。
強力な仲間を探すのは必須だ。行き場のない人々をマザーベースに誘
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