実働開始だよ士郎くん(上)
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朗報がある。
一つ、スカサハの手が入った土壌が異様に豊穣である事。なんでも影の国の土地は色んな意味で終わっているレベルらしい。その荒廃した地にも穀物を実らせられるまでになるという土地の開発術は、グレートプレーンズのように豊かな大地だとそれはもう夢のような仕上がりとなった。例え冬であっても全く問題なく通常の作物を育てられるようになったのである。
二つ。それに伴いこれまたスカサハ式栽培術によって、豊富な穀物が二ヶ月周期で大量に収穫可能となったのだ。しかもそれによる連作障害も、異常に育まれた土壌によって発生しない仕様である。
三つ、防衛ラインの構築完了。『人類愛』の本拠地としてある城塞は『マザーベース』と命名。この地点を中心に、四方に四つの砦を建築した。城と砦はその戦略的な意義が異なる。城は防衛拠点、統治拠点、支配者の居住地としての機能を持ち、一帯を支配する為の重要な拠点となる。その結果物資の保管庫、文化の集積地、商業的な心臓部となるのだ。ここに大勢の市民や兵士も詰められる為、戦略的要衝として欠かせないものとなる。
翻るに砦はそれ単体では防衛能力は低い。城塞ほど堅牢な護りとする意義が見当たらず、幾つかの砦と有機的な連携を取る事ではじめて高い戦略価値を有するのだ。城が防衛、能動的防御を可能とする拠点なら、砦は攻撃能力に特化した拠点であると言えば少しは分かりやすいか。駐在する兵士の数によって防衛範囲が広がる為、一つの城を起点に四つの砦があれば完璧な防衛ラインを構築可能となる。
これによりこの地域の防衛戦は完成する。
兵站はほぼ無尽、一q四方に配置した四つの前線基地による有機的な連携を取れる。俺が投影した無数の投影爆弾を、スカサハが開発した宝具投射機――投石機に類似した兵器――で打ち出せて、それで打ち出した投影宝具は着弾の瞬間、自動的に爆破してくれる仕組みのものも各砦、城に設置した。なんでも出来るという前評判に偽り無しなスカサハの面目躍如である。
四つ目。これは個人的な事だが、スカサハが俺の中の霊基を弄ってくれた。
抜き取ったり、殺したりは出来ないらしい。なんでもその霊基は俺の魂と同化してしまっているから。
だがその状態を変化させる事は出来た。俺の中の霊基はかなり特殊らしく、通常形態と反転形態があるらしい。通常の方が英霊エミヤそのもの、反転の方はエミヤ・オルタとでもいうもの。それらの二面性が最初から同居していて、宿主である俺の陥った状況に最適の方に勝手に切り替わる仕様だったらしい。
通常形態なら俺の魔術行使の補助一択。しかし既に俺は投影と固有結界に関しては、補助がなくとも同等の位階に達しているので、事実上存在意義がなくなっている。しかし反転形態は俺にはない技能である防弾加工、固有結界の切り売りによ
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