実働開始だよ士郎くん(上)
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カサハ」
「……は?」
呆気に取られるスカサハに、ふぅやれやれと嘆息しながら首を左右に振る。
「一番の働き者で、尚且つ忠実に頼み事を聞いてくれている。可愛いとも感じるさ。ちなみに――」
「た、戯けか貴様っ!? も、もういい! 私はもう行くからな!」
「――『辛い』って……のは……」
最後まで聞かずに、スカサハは顔を真っ赤にして俺の寝室から飛び出していった。
……どうしたんだ? いや真面目な話。別に照れられるような事を言った覚えはないんだが。
何せ「ちなみに」の後に続けようとしたのは、スカサハを過労死寸前まで酷使しているので俺も心が痛い的な意味で辛いという事である。
やはり云千歳のお婆様はよく分からん。そう思っているとスカサハが突然戻ってきた。
心を読まれた!? 死を覚悟した瞬間である。しかしスカサハは微妙に赤いままの顔で、俺にルーンを刻みつけて来た。すわ生きながらに火葬する気かと慌てるも、彼女は言った。
「ま、マスターよ。お主のその肌の色は気に入らん! 私のマスターなら、健康的な肌でなければな!」
「……ん?」
「壊死しておるその肌を若返らせ、元の肌の色に戻してやるっ。感謝せよ! それではな! 私には仕事がある! あ、それとだ、明日からはお主も鍛えてやるから覚悟せよ!」
「……んん?」
そうして、俺の肌の色が一気に白くなっていく。ほんの一時間ほどで、もとに戻るのだが……少し気持ちよかったので眠ってしまった。
いや……ほんと何がしたいんだスカサハお婆ちゃん……。
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