実働開始だよ士郎くん(上)
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
と? まあそこはいい。あて推量だとは言ってあるのだ。
「ただ聖剣の鞘のお蔭で、老化はかなり停滞させられている。五十年生きて五十代手前ぐらいの容姿になる程度に。だが俺は――っと、それより先にデータを送る。第四特異点の攻略指南だ。
こちらの年代は1782年のアメリカだ。座標特定に役立ててくれ。あー……と。データは行ったか? 虚数空間に向けて独り言を呟いてるみたいで俺も辛いんだ。そろそろ通信限界だ、次も通信が繋がったらデータをまた送る。状況の報告も。
ああ――それと。別に、この特異点を一人でクリアしても構わんのだろう?」
乾いた笑顔で強がってみる。俺一流のジョークだ。実際はクリアした場合、定礎復元に巻き込まれて俺が意味消失しかねないので、出来ればカルデアが来るまで持久戦にしたいわけだが。
「冗談だ、早く増援を寄越してくれ」
そこまで言い切る寸前に、ルーンが砕けた。
あらら、と気落ちする。こんな短時間で砕けるという事は、かなりの負荷が掛かっているらしい。
しかし本当になんの手応えもない。これでいいのだろうか……。無駄な事をしているだけの気もする。
「マスター、二点ほど聞いてもよいか?」
「ん? なんだ」
何となくしんみりした気分に浸っていると、スカサハが質問してくる。
「何故第四特異点とやらの攻略が容易なのだ?」
「あー……なんでだったか……。……ちょっと待て、今思い出す。……んー……と、確か……」
記憶を掘り返す。余りにも密度のある日々を送っていたから、どうもこの特異点に来るまでの日々が矢鱈遠く感じる。
そうして思い出す。第二特異点で遭遇した魔神柱、そこから襲ってきた戦闘王アッティラ、第三特異点に行く前にあった変異特異点冬木と、スカサハの作った特異点。そして第三特異点での戦況推移、アルケイデスの動き方、残留霊基の使い方、魔神霊との戦闘、固有結界の強制展開維持の策。
これらの動きから導き出せるのは、こちらの戦力を把握し、策を打っているのが典型的な魔術師である事と、可能な限り自分のいる特異点に来ないようにさせる事。神経質で潔癖性、完璧主義。その行動と策を打つリズムとでも言うべき癖から、第三の次、第四特異点に一連の流れの首謀者がいるという予想が立てられる。
この説明にスカサハは頷いた。それなら確かに納得できる。間違いあるまいと。そこまで分かれば具体的な対策を、戦場を幾つかのパターンに別ければ想定出来よう――そう頷いたスカサハは質問を重ねた。
「お主の言っておった『可愛すぎて辛い相棒』とやらは誰だ? 沖田が有力だが、シータも相棒と呼べる働きをしておる。皇帝ネロは新参ゆえ怪しいが……もしやアルジュナか? 最も敵撃破率が高いが」
「なぁに言ってるんだか。お前に決まってるだろ、ス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ