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人理を守れ、エミヤさん!
ゲリラ・オブ・ゲリラ
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て剣を構えたラーマに、ロビンは慌てて隻腕を振って敵意のなさを示した。
 ラーマはすぐに剣を下ろす。敵だったら意識のない間に殺されていたと聡い彼は判断がついたのだ。寧ろ助けられたのだとも。

「すまぬ、余ともあろう者が醜態を晒した。貴様が余を救ってくれたのだな?」
「ああ。オレはロビンフッド……みてぇなもんだ。あんたはラーマってんだろ? 知ってるから自己紹介はいらねぇ。……連中はもう行ったぜ。で、オレはそれを追跡中ってな訳だが……あんたをどうするかで悩んでたんだ。その傷だ、足手まといを連れていく気はねぇ。けどほっといたらどっかで犬死にされそうなんで、頭を悩ませていたってワケ」
「……確かにな。手傷を負った余では、あの者らに太刀打ちなるまい。しかしあの無辜の民草を放っておく事も出来ん」
「さいですか。……真面目な話、オレは追跡を続ける気だけどよ、あんたはどうする?」
「無論、余も行く」

 ラーマの強い意思の籠った瞳に、しかしロビンは顔を顰めた。

「追跡中、気配を悟られたら終わりなんですけど?」
「……」
「あんたアサシンじゃねぇだろ。しかも傷を負ってるときた。気配を上手く消せるとは思えないね」
「……しかし」
「しかしもかかしもあるか。……って、何言っても無駄臭いな。ならこうしようぜ」

 引きそうにない少年王に、ロビンは早々に折れた。時間の無駄だし、何よりこの手の頑固さを持つ手合いはテコでも動かないと知っている。
 なら早めに妥協した方が合理的だ。それに……ロビンとしても、あの理想王が近くにいてくれるというのは心強い。

「オレが先行して追う。そん時に道標になるもんを落としながら行くから、おたくはそれを辿りながら後から来ればいい」
「……いいのか? 貴様は無用な労を負うだけだぞ」
「構わねぇよ。味方は多い方がいい。変に撒こうとはしねぇから安心しな。……話してる時間が惜しい、オレは行くぜ」

 ロビンはそう言って『顔のない王』で姿を消す。この手の宝具が流行りなのかとラーマは思った。







 そうして、ランスロット達はメイヴの待つ城に帰還する。

 道中に出くわした十人の男達を捕縛して。

 ……その中には《白髪に健康的に日焼けした肌》、《金の右目と琥珀色の左目》を持つ、精悍な人間も混じっていた。

 ――時は1783年。カルデアより単身で迷い込んだ男が、丁度一年の歳月を経た時の事である。





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