ゲリラ・オブ・ゲリラ
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の芽を、湖の騎士は丁寧に摘み取った。
「二人懸かりで行くぞ、弟よ」
「……俺にだけ任せる気はねぇのかよ? まさかこの俺が負けるとでも?」
「違う。我らが誉れとすべきは成果のみ。であれば個人の愉悦は優先すべきではない。理想王は強敵だ、万が一を考えれば確実に仕留めるべきだろう」
「……ちっ。兄貴がそう言うんなら、そうするさ」
「クッ……!」
ラーマは、己が敗北する事を悟った。
崖から落ちる。聖剣に切り裂かれた小柄な体。深傷を負ったラーマを仕留めるべく、崖から身を乗り出したランスロットとアキレウスは――しかし、その姿を見失ってしまっていた。
「む……」
「……探してくる。少し待っててくれ」
「気を付けよ。伏撃があるやもしれん」
「誰に言ってんだよ」
アキレウスは自信に満ち溢れたら笑みを残して、単身崖から飛び降りた。
それを見届け、ランスロットは暫し待つ。
しかしアキレウスはすぐに戻ってきた。英霊最速を誇る彼は、短時間で周囲を走り回ったのだ。
「駄目だ、どこにもいやがらねぇ」
「……既にマスターと契約していたか? 令呪で強制転移させたか……」
「なんでもいいだろ。次会えば確実に殺す。それで納得するしかねぇ」
「……ふむ、そうだな。であれば帰還しよう。貴卿も……お前も私と来るか?」
「おう、我らが女王に拝謁させてもらうわ」
そうして、二騎のサーヴァントは去っていく。
気配が遠ざかるのを確認し――彼は姿を現した。
義賊ロビンフッドである。彼は『顔のない王』で姿を隠し、執念深くランスロットを追っていたのだ。
彼は後少しで殺されるところだったラーマに覆い被さり、二人を『顔のない王』で包んで、彼らが立ち去るまで隠れ潜んでいたのである。
「おい、しっかりしろ!」
「ぐ、ぅ……」
ラーマは頬を叩かれるも、呻くだけだった。ロビンは舌打ちする。命に別状はない、とは言えない。彼に応急手当を施しながら、ラーマを担いで彼は歩き出した。
考えるのは敵の狙い。どうして村人を殺さなかったのか。生かしたまま本拠地に向かう目的は?
ラーマは今すぐに死にはしないだろうが、その左肩と脇腹に受けた槍の傷が、治癒されない類いの呪詛に犯されているのを悟っていた。あの槍の能力だろう。
このままではいけない、追跡して敵の狙いを掴まねば。しかしラーマを抱えていては……煩悶する彼だったが、しかしラーマは気絶状態からすぐに立ち直り意識を取り戻した。
「ぅ……? 余は……どうなって……?」
「お? 起きたか。どうだい調子は?」
「っ! 貴様は……!」
「待て待て待て! オレは味方だっつの!」
ロビンの背中から飛び退い
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