アウトロー・オブ・アウトロー
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聖剣の魔力が少年悪漢王の体内で迸った。
「ロビン、逃げ――」
最期の言葉は途切れ、早撃ちの名手は消滅した。
義賊の判断は早かった。敵の聖剣、その真名から決して敵う相手ではないと悟っていたのだ。
仲間を見捨て、村を見捨て、退くしかない。忸怩たる思いも何もかもを省みずに、兎に角逃げるしか。
「『顔のない王』――!」
「フッ――!」
させじと聖剣が閃く。姿の消えた緑衣の弓兵を、それは確かに捉えた。
左腕が舞う。鮮血が散る。しかし命は絶てず。白い雪に足跡を残し、それを追って駆ける湖の騎士の剣閃はしかし空振った。
「……逃がしたか」
森に消えた。足跡はない。木上に跳び移って木から木へ、音もなく、枝の揺れもなく、軽やかに逃げているのだ。それを追いはしなかった。
何故なら彼には任務がある。長男であるスパルタクスの後詰めとして派遣されたが、スパルタクスは彼が追い付く寸前に討たれてしまったのだ。ならばせめて彼のもう一つの任務、資源の回収を果たさねばならない。
スパルタクスの兵の指揮を引き継ぎ、彼は村に向かう。
その男の名は、
湖の騎士ランスロット・デュ・ラック。
女王メイヴの《十三番目の子供》である。
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