アウトロー・オブ・アウトロー
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は生粋のアウトローだ。そんな不条理になど屈しない。出し惜しみはなしだ、反射や無効化の鎧になんか負けたりするものかと彼は魔力を銃に込める。宝具『壊音の霹靂』のお披露目だ。
二度目の三連射はカウンターだった。剣闘士が小剣を振るわんと、目前まで迫ってきた瞬間に、ビリーは再び神速の三連射を放ったのだ。
無駄だと言わんばかりに満面の笑みでスパルタクスは弾丸を受ける。そう、無駄だ。普通であれば。だがアウトローは普通じゃないからアウトロー。
一発目は眉間。反射されてきた弾丸を二発目が迎え撃ち、三発目が間髪空けずにまた眉間。
「ぬァ……!?」
スパルタクスが仰け反った。頭蓋を撃ち抜くには至らずとも、スパルタクスの宝具の守りを確かに貫いたのだ。それでも僅かに血が出た程度、抜き手も見せぬ神速の射撃術ですらそれが限界。その程度の傷では、瞬く間に治癒してしまう。
だが必殺の好機は得られた。その隙こそが何よりも必要だったのだ。
「ロビンッ!」
「任せろ。――我が墓地はこの矢の先に、森の恵みよ……圧政者への毒となれッ。『祈りの弓』!」
『顔のない王』によって潜伏していたロビンが宝具を使用する、真名解放と共に、右腕に装着した弓からイチイの木の枝葉が伸びた。スパルタクスは目を見開く。完全な不意打ち。イチイの木の枝葉はスパルタクスに絡まり巨木へと成長していった。
「ぬぅぅううう!!」
「へっ。見た目筋肉の割に頭もいいみてぇだが……生憎と相手に本領発揮される前に潰すのは生前から何度もやってた事なんでね。悪ぃが――そのまま死ねよ」
巨木は成長し切ると同時に、スパルタクスから吸い上げた毒を吐き出しながら枯れ果てる。
スパルタクスが散々に罠から受けていたイチイの毒が散華していく。それは剣闘士の霊核をも侵食し、彼を確実に消滅させた。
敵サーヴァント撃破。達成感に浸りたいところだが後百ほどケルトの戦士が残っている。
「やれやれだ。何やってんだろうな……オレ達。なんの利益もないってのに」
「ただの自己満足さ。僕らはサーヴァント、報酬はそれだけで充分だろ? いいじゃないか、いずれ出会えるかもしれないマスターに、語って聞かせられる武勇伝が増えたとでも思えば」
「そう思うしかねぇか。あーあー……ったくこれからの旅を考えたら憂鬱になって――」
「――いいや。貴卿らの旅は此処で潰える」
忽然と。たった今、漸く追い付いてきた漆黒の騎士が姿を現す。驚愕しながらも、腰の銃に手を伸ばすのはビリー・ザ・キッド。だが、
「悪いが貴卿の早撃ちはもう見ている。『縛鎖全断・過重湖光』」
「ガッ――!?」
迅く、切り裂かれる胴。切断面が青々と煌めき、そして莫大な
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