アウトロー・オブ・アウトロー
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破。面食らうロビンだが、悟る。あの気色悪い筋肉笑顔野郎を止めるには、拘束系の罠でなければならなかった――
「チッ」
「まあまあ、敵はたったの百だ。片方があの筋肉を足止めして、もう片方が雑魚を撃てばいいだけだろ? 焦る事はないさ」
「そりゃあそうなんでしょうけどね、オレからしてみたら自慢のトラップをあんな笑顔で越えられちゃあ、流石に商売上がったりだっての」
せめて鬱陶しそうにしろよと義賊は吐き捨てる。
なんにせよやることは変わらない。元々万軍を想定していたのだ。敵がたったの百騎で、一騎のサーヴァントがいるとなっても、想定より遥かに掛かる労力は低いと言っていい。
一際高い丘の上から、迫り来る敵軍団。突出して突撃してくる笑顔の素敵な剣闘士は、明らかに孤立している。ロビンは相方に提案した。
「……なあ、先にサーヴァントから斃した方がいいと思うんだけどよ、おたくはどう思う?」
「んー? 僕は構わないよ。それじゃあ僕が正面から迎え撃つ、君が横から撃ち殺す、これでどう?」
「いいぜ、スマートに決めちまおう」
薄く笑みを交換し合い、ロビンは後退して丘の上から離れた。隆起した地面故に敵からはビリーの姿しか見えなくなる。
ロビンは宝具『顔のない王』を使用してそのまま透明になった。気配も遮断され、彼の発する音も消える。ロビンを完全なステルス状態とする緑衣の外套は、生前に顔や素性を隠して圧制者と戦った事に由来する逸話型宝具だ。
効果はシンプル、故に扱いやすい。単純に姿や痕跡を隠す事にだけ特化した物故に、まず直前に察知するには相応の幸運、技能を要するだろう。
くるくると手の中で拳銃を回しながらビリー・ザ・キッドは思案する。間もなく筋肉達磨は射程圏、敵が剣を振りかぶったらカウンターで鉛玉を叩き込むのがスマートだが。
――どうもね。それじゃあ詰む感じだなぁ。
罠にかかっていたところを見る感じ、傷は修復される。つまり負傷するのは織り込み済みだろう。さらに物によっては反射もされているように見えた。
一度食らったものは無効化するか、反射するかのどちらかなのだろう。明らかに宝具による能力だ。であれば二度目以降は、その宝具を越えない限りまともに傷を負わせる事は叶うまい。頑強特化の面倒な手合いで正直ビリーとの相性は良くなかった。
「だけど、ま……それならそれでやりようはあるって」
嘯いて、ビリーは腰のベルトに銃を納める。極東の侍が使う居合いに、どことなく似ている構え。
後十歩……目的は足止め。真横から伏撃を食らわせるロビンが本命だ。例え傷を塞ぎ、二度目以降は無効化か反射をしようとも、毒に対する耐性は分かるまい。少なくとも一度は必ずイチイの毒に侵され、その体内に毒を
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