第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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い。本来遊星主へのアンチプログラムだったはずの『破壊神』を『勇者王』へ改装できる予備拡張、いや、収縮機能を残していたのは。
「おそらく、帰還するときもこの引き出しを介して戻らねばならないでしょうね。何より、竜具の共鳴反応が使えない以上、ガイの探索も難しいものになる――」
「じゃあどうする?どうやって探し出すつもり?」
「ここの市長に……代表者に会いに行きましょう」
「できるの?」
「来ましたよ」
言うや否や、大勢の人間の足音と共に現れた集団があった。その集団こそ、今では各国の騎士団の中でも精鋭中の精鋭とされる『郊外調査騎士団』と呼ばれている者―――――そして、過去では『3番街自衛騎士団』と呼ばれていた、ここに所属していた凱にとって懐かしき面々だった。
「誰だ!?貴様等!?」
そう。3番街自衛騎士団のレジナルド=ドラモンドをはじめとする熟練の騎士たちに出くわしたのだった。
『独立交易自由都市・3番街交易役所・応接室』
独立交易自由都市3番街、公務役所。
中央区である3番街は、都市に点在する役所のひとつであり、敷地面積としては都市の建築物において一、二を争う施設だ。初めのうちは殆どが平屋の木造建築の為外装も内装もつぎはぎだらけで、有体に言ってしまえばボロかった。市民の治安を守るべき都市の機能建築物は、その威厳など見る影もなかった。
しかし、つい最近になって勃発した『黒船来航』によって、中世レベルであった独立交易都市の建築レベルは飛躍的な進歩を遂げることとなる。
鉄筋コンクリート。スラブデッキ。現代日本に勝るとも劣らぬ知識の概念は、建築物の基礎にとどまらず、内装にまで浸透して技術的発展に貢献している。以前の技術力では木造建築がやはり中心だったため、隣家が火事になると、その隣接物件も飛び火するまえに破砕しなければならない悲惨な対処が必要だった。いくら火災拡大を防ぐためとはいえ、ひどいものだった。
ここ公務役所は戦闘員のみならず、非戦闘員の公務員も務めている。もちろん収容人員は多く、特定防火対象物として指定されている。
最近は被害らしい被害もないのであまり役所内は騒がしくもなく、通常通りの勤務をこなしていた。
そんな中、一人場違いのようにせかせかと歩く人物がいた。レジナルド=ドラモンドである。
ムオジネル特有の褐色肌を持ち、規律的に整えた頭髪は彼の真面目な性格を体現している。拠点防衛騎士団団長を務める彼は、視界に入る人間に目もくれず、目的の場所へたどりつく。
「――――市長室だと?」
先ほどの女性たちを拘束し、尋問するにはあまりにも似つかわしくない場所だ。困惑しながらもレジナルドは戸を叩く。聞
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